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東芝と東芝機械、従来方式の10倍高速な金属3Dプリンタ試作機を共同開発

東芝と東芝機械は、従来方式と比較しておよそ10倍以上高速に造形できる3Dプリンタの試作機を共同開発した。2017年以降の販売を予定している。

この金属3Dプリンタは、経済産業省の委託事業「次世代型産業用3D金属プリンタ技術開発及び超精密三次元造形システム技術開発」において開発したもの。

一般的な3D金属プリンタに多い、粉末状の金属材料を敷き詰めたパウダーベッドにレーザーを照射することで任意の部分を溶融して積層していく「パウダーベッドフュージョン」方式に対し、新開発したプリンタは、レーザー照射と同時に金属材料粉末を噴射しながら造形する「レーザーメタルデポジション」方式を採用した。東芝が持つ流体シミュレーション技術を活用して、金属粉末の噴射領域を小さく収束する造形ノズルを新開発したことで、レーザー出力800Wで1時間あたり110cm2 の造形速度を実現した。造形速度が高速なだけでなく、材料の必要な部分のみをレーザー照射で造形するため、パウダーベッドフュージョン方式よりも低コストに大型造形ができるとしている。

造形可能な材料は、ステンレス鋼、インコネル、鉄など幅広く、部分的に素材を買えた部品も造形できる。

今後は造形速度と解像度の向上、3D CADソフトとの連携などの改良を進めて、2017年度以降に実用化し、東芝機械は2017年以降に販売を開始する予定。試作機は、12月2~4日に東京ビッグサイトで開催される「モノづくりマッチングJapan2015」で展示する。 

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