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JSRとANA、SHCデザインの3Dプリント義足の実用化を支援

JSRとANAは、SHCデザインが製作する「3Dプリント義足」を共同開発し、実用化に向けて支援することを発表した。

SHCデザインの3Dプリント義足は、膝下義足適合患者の断端部を3Dスキャンし、それを元に専用3Dソフトウェアでデータを作成、特殊材料を用いて専用3Dプリンタで義足を出力するものだ。

3種のプラスチック材料のみというシンプルな構成で、従来の義足に比べ軽量かつ金属部品を使用しないのが特徴だ。金属を使わないことで、従来の義足のように、錆を気にして海や温泉に入れなかったり、空港で金属探知機が反応してしまうこともない。また、製造原価が一般的な義足の20~30%程度で済むため、単価が30~40万円する従来の義足よりも購入しやすくなるとしている。

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JSRは、慶應義塾大学が共同開発した3Dプリンタ用フィラメント「FABRIAL R」シリーズを提供することで実用化を支援する。FABRIAL Rは医療分野などでの実績がある材料をベースに開発され、従来の3Dプリント素材よりも柔らかく、しなやかな新素材だ。皮膚刺激性テストによる安全性も確認されている。

またANAは、義足歩行社員による検証と技術的なアドバイス、空港における実証実験などで協力し、義足歩行者の旅行を快適にするためのサポートを提供する。また、事業展開時の渡航支援などの支援を行う。

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SHCデザインは、2015年に3Dプリント義足の製品開発をスタートさせ、経済産業省の「フロンティアメイカーズ育成事業」プロジェクトとして採択された。また、現在国際協力機構(JICA)の委託を受けて、フィリピンで事業の有効性および市場受容性を調査している。同社は、国内外の義足歩行者が抱えるトラブルやストレスを解決するため、3Dプリント義足を実用化し、2017年中の販売を目指すとしている。

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