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デスクトップで精密切断できる——コンパクトなウォータージェットカッター「WAZER」

さまざまな材料を高精度で切断できるデスクトップ型ウォータージェットカッター「WAZER」がKickstarterに登場した。従来の産業用より安価で、設置場所を選ばないコンパクトタイプだ。

WAZERは、デスクトップに設置可能な本体とポンプボックスのセットで構成され、従来の産業用ウォータージェットカッターに比べ、大幅なサイズダウンと低価格を実現している。これまで導入が難しかったスペースの限られたファブ施設や自宅の作業場などへも導入しやすい。オプションで、スタンドアップユニットとしてコンパクトに設置できるスタンドも用意されている。

ウォータージェットによる切断は、基本的にはどんな素材でも切断できるという特徴がある。切断に発熱が伴わないため、さまざまな材料を複雑な形状に切断でき、歪みが起にくいうえに換気も必要としない。

切断には、細かい研磨剤(ガーネット)を加えた水を使う。切断ノズルから高圧で噴射して切断するため、切断というよりも材料を吹き飛ばすようなイメージだ。そのためさまざまな素材が切断でき、また切断面は鋭利ではなく、滑らかに仕上がる。

カットデザインは、Solidworks、Adobe Illustrator、Google SketchUpで作成し、作図したDXFやSVGファイルをWAZERのソフトウェアにアップし、カットの設定/実行するという流れだ。

切断対象の材質によって切断可能な最大厚さがあり、またガーネットの使用量や切断速度など切断条件が変わる。例えば厚さ1.6mmのアルミ板の場合、1分間で150gほどのガーネットを使用し、長さ71mmほど切断できる。開発者によれば、ガーネットはネット販売もしているが、一般のウォータージェット用(粒度#80)のものが使えるとしている。

WAZERの本体サイズは864×635×534mm、乾燥重量は50kgだが、使用時には最大136kgとなる。ポンプボックスのサイズは686×356×305mmで、重量は21kg。スタンドアップユニットに設置した場合のサイズは864×635×1143mmとなる。切断エリアのサイズは305×460mmで最大25mm厚の材料が置ける。XY方向の精度は0.08mmで、カット幅は1.5mmだ。

WAZERは11月11日までクラウドファンディングを実施。9月14日時点では、目標額の10万ドル(約1030万円)を大幅に上回る66万ドル(約6790万円)以上を集めている。

WAZERの希望小売価格は5999ドル(約61万7000円)で、今なら早期割引適用分を3999ドル(約41万1000円)で入手できる。オプションのスタンドは250ドル(約2万5700円)だ。出荷開始は2017年9月の見込みだが、出荷先はアメリカとカナダのみとなっている。

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