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工場作業の自動化や省人化に——Thinkerがバラ積みピッキングロボを実用化

Thinker Model Aのシステムイメージ

ロボットスタートアップのThinkerは、バラ積みピッキングロボット「Thinker Model A」を発表した。

近接覚センサーと2Dカメラの技術を組み合わせたシステムを構築することで、ロボットによるバラ積みピッキングを実現。独自開発のエッジAIなどティーチングを容易にする仕組みを備えており、高い専門知識がなくともロボットの導入や運用がしやすくなっている。

Thinkerが開発した「近接覚センサーTK-01」は、赤外線とAIを組み合わせた3D変位計測が可能で、高速かつ高精度な物体認識が実現できる。この技術により、従来、画像認識の難易度が高かった鏡面や透明な物の認識も可能になった。

Thinker Model Aに搭載したロボットハンド「Think Hand F」には、近接覚センサーTK-01を使用している。近接覚センサーと、柔軟な関節を備えたロボットハンドで、手探りで物をつかむような動作を実現した。部品の他、食品のピッキングにも対応できる。

さらにThinker Model Aでは、Think Hand Fに2Dカメラを組み合わせて画像解析できるようにして、より複雑な物体の認識を可能にした。

Thinker Model Aの受注は2025年1月30日に開始する。さらに同年2月6日には製品説明会をオンライン(Zoom)で実施する。オンライン製品説明会の参加費用は無料で、参加にあたり事前登録が必要だ。

従来、製造現場では検査や出荷準備の工程において、バラ積みされた部品を人の手作業で取り出す作業が多かった。一方、ロボットによるバラ積みピッキング技術は難易度が高いといわれてきた。その技術の実現においては、カメラシステムや大型振動装置(パーツフィーダー)の導入コストが高額になることが障壁の1つだった。また導入・運用時には、工場の現場における産業用ロボットの運用知識も課題となっていた。

Thinkerは大阪市内のスタートアップ企業。2022年8月に大阪大学による近接覚センサーを応用したロボットセンサー技術の事業化を目的に設立された。

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