STM32F722 Nucleo-144ボード、STM32F723 Discovery Kit、超低消費電力マイコンSTM32L4シリーズの新製品
2017/03/16 16:30
STマイクロエレクトロニクスは、32bitマイクロコントローラSTM32F722/723を使用したシステム向けに、内蔵USB-HS(High-Speed) PHYを持つSTM32F723のDiscovery Kitと、STM32F722対応のSTM32 Nucleo-144ボードを発表した。さらにARM Cortex-M4Fプロセッサと独自の超低消費電力技術を搭載した32bitマイクロコントローラ「STM32L496」「STM32L4A6」も2017年4月から販売代理店経由で提供していくことを明らかにした。
STM32F723向けDiscovery Kitは、MEMSマイクロフォン、MEMSセンサ、オーディオ・コーデック、ユーザー・インタフェース用ディスプレイなどの機能を搭載。Arduino Unoピン・ヘッダ、DigilentのPmod コネクタも備えている。STMod+コネクタが新たに追加され、追加のファンアウト・ボードを通じてWi-Fiモジュール、SeedStudio Groveモジュール、MikroElektronika click boardsや試作開発向けブレッドボードにも接続できる。
同Discovery Kitはさらに、STM32F723IEK6マイコンの内蔵USB-HS(High-Speed)PHYを利用するためのHigh-Speed USBコネクタと、USB-FS(Full-Speed)コネクタ、液晶タッチスクリーン(240×240ピクセル)を搭載。WAVオーディオ・プレーヤー、ビデオ・プレーヤー、ボイス・レコーダーなどのデモも実装している。
また、STM32 Nucleo-144ボードは、512 KB Flashメモリ内蔵の144ピンSTM32F722ZET6マイコンを搭載。Arduino Uno V3との接続をサポートするST Zioコネクタや、ST morpho拡張ピン・ヘッダを備えている。
価格はSTM32F723向けDiscovery Kitが39ドル(約4500円)、STM32 Nucleo-144ボードが19ドル(約2200円)。両ボードとも販売代理店か同社Webサイトから入手可能だ。
STM32L4シリーズの新製品STM32L496とSTM32L4A6は、最大320KBの内蔵RAMを備えたIoT機器やスマート・ウォッチなどの低消費電力が求められる機器向けの製品。同社のChrom-ARTグラフィックHWアクセラレータ「Chrom-ART Accelerator」によってディスプレイ表示をスムーズにしている。その他、最大1MBのFlashメモリ、CANインタフェース、カメラ・インタフェース、水晶発振子無しで動作するFull Speed(FS)USB On-The-Go(OTG)を搭載している。
処理能力を示すEEMBCCoreMarkスコアは273。低消費電力性能のベンチマークであるULPBenchスコアは217。EEMBCCoreMarkスコアは他の超低消費電力プロセッサを大きく上回り、ULPBenchスコアから電力効率にも優れていると言えるという。アクティブモード時の消費電流はわずか37μA/MHzだ。
STM32L496RET6(LQFP64パッケージ、Flashメモリ:512KB、SRAM:320KB)の参考サンプル価格は約4.63ドル(約530円)となっている。