IoTで栽培ノウハウをデータ化——農業用センサーシステム「SenSprout Pro」
2017/04/20 13:30
SenSproutは、農業法人や農業従事者、研究機関向けに土壌センサーとゲートウェイ、クラウドサービスがセットになった「SenSprout Pro(センスプラウト プロ)」を発売する。
プリンテッド・エレクトロニクスを用いたソリューションを提供するSenSproutが開発した土壌センサーは、プリンテッド・エレクトロニクス技術を活用したセンサー部分と測定器を分離し、交換可能としたデザインだ。作物ごとに要求の異なる土壌に関する幅広いデータ収集のニーズにあわせ、センサー部分を交換することにより、露地やハウスの狙い通りの深度での測定データが取得できるという。また、土壌に密着しやすい板型構造を採用し、土壌に差し込んでボタンを押すだけで計測が開始できる。
ゲートウェイとの通信にはIEEE802.15.4g (920MHz)を使用し、最大通信距離は見通しで150m、単三電池×2で最大1年間作動する。外形寸法は約70×33×677mmで、重量は約358gだ。
ゲートウェイの仕様は、3G/LTEデータ通信モジュールを内蔵し、入力電源電圧:DC5V(ACアダプタ内蔵)、外形寸法は約135×185×85.5mmで、質量は約835gだ。ゲートウェイ1台に対してセンサーを99台まで接続できる。
そして、土壌センサーから取得したデータをリアルタイムで確認できる解析用クラウドサービスも提供する。センサーを設置した場所の複数深度毎の土壌水分量と地表面の温度を1時間ごとに計測したデータの収集・視覚化が可能で、土壌水分の生育段階への影響を複合的に評価できるという。
生産管理者の多い大規模な露地やハウスでもデータ共有できるメンバー招待機能や、自動で土壌の変化を検知して通知する機能もあり、計測した数値は、詳細な分析のためのCSV形式でのダウンロードも可能だ。
同社は、SenSprout Proを利用することで、これまで篤農家が経験と勘で行っている気候・土質に応じた柔軟な栽培ノウハウの測定データでの定量化が可能となり、経験の浅いオペレーターや新規就農者などでも同等の高精度な作業が可能になるとしている。
SenSprout Proの直販価格は19万9600円。なお、土壌センサーとゲートウェイは各9万9800円(価格はいずれも税込)で単体でも販売する。5月上旬より順次出荷開始予定だ。なおクラウドサービスについては10月まで無料、その後はセンサー、ゲートウェイともに1台につき月額1000円での提供を予定している。