ボールペンで電子回路を描いてものづくり——電子工作キット「Circuit Scribe」
2017/06/09 10:00
導電性インクペンを利用した電子工作キット「Circuit Scribe」が、Kickstarterにて出資を募っている。
Circuit Scribeは、銀の粒子を配合した高導電性インクを使用した水性ボールペン。インクが電気を通すため、ペンで文字を書いたり絵を描いたりして自由な形の電子回路を作成できる。インクは無毒性で、教育現場やプロトタイプの作成、エレクトロニクス芸術などさまざまな用途に使用可能だ。
Circuit Scribeは、目的別に3つのキットをラインアップ。それぞれのキットには導電性インクペンに加え、用途別のモジュールやガイドブックなどが付属する。どのキットも工作を通して電子回路の原理について学べる仕組みだ。
「Drone Kit」にはDCモーター4個が付属。段ボールを組み立ててCircuit Scribeで配線を描きプロペラとモーターを追加すると、遠隔操作が可能なクワッドコプター型ドローンが完成する。自分好みにドローンのサイズや形を変えてみることもできるという。
「Calculator Kit」にはタッチセンサーと電卓モジュールが付属。電子回路と静電容量タッチセンサーについて学べる。Circuit Scribeで紙に描いたキーパッドにモジュールを接続すると、紙の上に電卓を作成できる。紙に描いたキーパッドの数字部分をタッチして、実際の電卓同様に計算が可能だ。
現在開発中である新バージョンの電卓モジュールは、薄型のPCB(プリント回路基板)で紙を直接はさめるクリップ式デザインを採用。太陽電池も利用できる予定だ。
「LiteWing Kit」は、全年齢対象の入門キット。カエデの種子のようにくるくると回りながら落下してくるプロペラを作成できる。プロペラにはLEDを搭載しており、コイン型電池との接続回路をCircuit Scribeで描いて作成する。
キットの価格はLiteWing Kitが8ドル(約880円)、Calculator Kitが20ドル(約2200円)、Drone Kitが40ドル(約4400円)。3種キットのセットは65ドル(約7200円)だ。日本への送料は、LiteWing KitとCalculator Kitがそれぞれ20ドル(約2200円)、Drone Kitと3種キットセットがそれぞれ25ドル(約2800円)だ。
Circuit Scribeは、Kickstarterにて6月26日までクラウドファンディング中。目標額9万5000ドル(約1050万円)に対し、6月9日時点で約6万3000ドル(約690万円)が集まっている。出荷は2017年10月の予定だ。