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低コスト短時間でカスタマイズ可能に——ロボット製作ツール「Interactive Robogami」

マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピューター科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究チームが、専門知識がなくても直観的に操作できるロボット製作ツール「Interactive Robogami」を発表した。

近年、社会のさまざまな領域でロボットの利用が進んでいるが、ロボット技術を目的に合わせてカスタマイズするのは容易ではない。ロボットは、機械的サブシステム、電子サブシステム、コンピューター計算サブシステムが密に結合した複合システムであり、デザインやモデリングから製作に至る工程には費用と時間が掛かる。何か一つ変更するにしても、再検討とハードウェアの修正に数日から時には数週間かかる可能性がある。また、複雑な構造をデザインすると、実際に製作可能かどうかということも重要なポイントになる。

Interactive Robogami

これらの課題に対するひとつの答えとなるのが、CSAILが発表したInteractive Robogamiだ。Interactive Robogamiは、組み合わせ方式による地上ロボットデザインツール。3Dプリント可能な2Dシートとしてボディ、ホイール、脚、ペリフェラルなど50点を超える部品がデータベースに登録されており、ユーザーは使用する部品を選択し組み合わせてロボットの形状をデザインする。

Interactive Robogami

形状同様、ロボットの動作もあらかじめ定義された脚やホイールなどの動きを組み合わせて一連の動作を設定する。出来上がったデザインは、システム上で動作のシミュレーションが可能で、ユーザーはフィードバックを受けてロボットの形状や動作を調整できる。

Interactive Robogami

製作時は、3Dプリントした平面状の部品を折り紙のように折り曲げて組み合わせる方式で立体構造を作り上げる。研究チームの一員であるCynthia Sung氏(現ペンシルベニア大学)は、「3Dプリントすると複雑かつ堅い構造を作れる一方、2D製造では軽くても頑丈な構造を速く作ることができる。2Dパターンを3Dプリントする方法を採ることで軽くて丈夫な構造体を短時間で製作できるようになった」と述べている。

Interactive Robogami

Interactive Robogamiを使うと、専門知識がなくてもロボットを短時間で作れるようになるという。研究チームは、1台あたりデザインに10~15分、3Dプリントに3~7時間、組み立てに30~90分を費やして計6台のロボットを実際に製作した。3Dプリントした部品を折り曲げる方式を採用したことで、プリント時間を73%短縮し、材料使用量を70%減らすことができたと報告している。

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