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デルフト工科大学、折り紙をヒントに3D格子構造体の造形手法を開発

オランダのデルフト工科大学のAmir Zadpoor教授が率いる研究チームは、日本の折り紙の技法をヒントに、3D格子構造体の新たな造形手法を開発したと発表した。

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この造形手法は、フラットな状態の素材に微細加工を施したのち、折り紙のように折りたたむことで3D格子構造体へと組み立てるというものだ。

格子状構造体は、自然界には存在しない物理的・光学的に特異な性質を備えた「メタマテリアル」と呼ばれる人工物質の開発に不可欠な必要なもので、現在は3Dプリンティングによる製造プロセスで作られている。極薄のエネルギー吸収材や剛性が非常に高い素材などが得られるが、その特性は素材自体によるものではなく、格子構造のパターンに依存するとされている。

そしてこのメタマテリアルにさらに機能を付加するためには、その表面に電子ビームによるナノプリンティングを施す必要があるが、3Dプリンティングによる造形構造上、その内部表面への加工は難しいという課題があった。

そこで研究チームは素材を3Dプリントするのではなく、フラットな素材に微細加工を施したのち、素材を折り紙のように折りたたむことで、3D格子状構造体へと変形させる手法を編み出した。これにより、これまで難しかった内部表面への微細加工も可能になる。素材の折り畳みには、例えば温度変化を利用して自己変形させることも可能だという。

研究チームは、この造形手法を医療用インプラントやフレキシブル電子デバイスの作成などへの応用を考えている。なお、この研究は『Science Advances』誌2017年11月29日版に記載されている。

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