同社によると、従来の義足1本あたり30～100万円と高価で、製作にも通常2～3週間程度の期間が必要だった。このため発展途上国を中心に義足の購入が難しく、社会参画が困難になっている人が多く存在するという。例えばフィリピン1国だけでも100万人以上が必要な義足を入手できないのが現状だ。

同社では、このような課題を解決するために、義肢装具専用の3Dモデリングソフト、3Dプリンター、機械学習による形状レコメンド機能などの義肢装具のカスタム量産ソリューションを独自に開発。これにより従来の約10分の1のコストダウンと納期短縮を実現する。

今回の実証実験は、先般日本貿易振興機構の「日ASEAN新産業創出実証事業（事業化可能性検証事業）」に採択された際の2200万円の支援金を受けて実施するものだ。

実施期間は2018年7月～2019年2月を予定。被験者50名に対して義足を作製、提供しての6カ月間の実生活試用によるテストや、当社開発の各ソリューションの検証、および医師や義肢装具士に対するユーザビリティテストを実施する。フィリピン総合病院らと共同で、実施場所はフィリピン・マニラ首都圏地域だ。

同社では、当実証実験によって、安全面などを最終的に検証したプロダクトの完成と、一連の製造オペレーションの構築が完了できる見込みだ。今後は同国に現地法人を設立し、2019年春頃をめどに事業を開始する予定だ。