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画期的な撥水性を実現——MIT、コーティング不要でどんな液体もはじく表面を開発

ナノ構造を持つオムニフォビック表面では、水が水滴を形成して、濡れ現象を示さない。

MITの研究チームが、ナノテクノロジーを利用してどんな液体もはじく表面を作成する手法を開発した。エッチング技術等により、表面にナノ構造を構築することによって、特別なコーティング処理なしに、持続性のある撥液性を実現したものである。研究成果は、2018年10月9日の『ACS Nano』誌に論文発表されている。

水をはじく撥水技術は古くからあり、表面自由エネルギーの小さい高分子系による撥水コーティングなどが開発されてきた。また、平坦な表面より微細な凸凹が多い表面のほうが、接触面積が多く撥水性に適することが知られており、数10μm以下の表面凸凹形状を持つオムニフォビック(omniphobic、拒絶型)表面などが研究されている。しかしながら、これまでに開発されてきたオムニフォビック表面では、温度が液体の結露点以下になって凝結現象が始まると、急激に液体による濡れが局所的に生じ、その後一気に全表面に拡大することが大きな障害になっている。

研究チームは、たとえ凝結現象が生じてもそれが全表面に拡大せずに、撥液性を維持できる表面ナノ構造を追求した。計算と実験を重ねた結果、撥液性の維持には、微細な凹凸の形状と間隔の制御が重要であり、それを最適化することによって、液体が微細な「エアポケット」に侵入せず、また隣接領域へと拡大しないようにできることを見出した。

その後研究チームは、半導体製造の標準的なシステムを用い、理想的なエアポケットとして機能するナノサイズのくぼみ形空洞を作成した。まずエッチングによりくぼみ形空洞を作成、その後周囲のピラー端部の被覆およびエッチングによる切れ込み加工などを加えるという、マルチステッププロセスによってキノコ状の覆いを持ったくぼみ形空洞を加工した。さらに、これらのくぼみ形空洞を、表面上で連結せずに100nmピッチで分離させた。その結果、様々な液体に対して、露点より10℃低い温度まで撥液効果を維持し、それが3週間持続することが確認された。

研究チームのKyle Wilke氏は、「この研究は未だ初期的な概念実証の段階であり、更に改善する必要があるが、将来の可能性として、セルフクリーニング表面や、防氷性の向上、産業分野における熱効率の向上、船の外穀などにおける推進抵抗の低減などに活用できる。また、材料表面と環境中の腐食性液体の間の接触を低減することによって、腐食に対する防護としても活用できる。さらに、高機能デバイスにおける熱伝導の制御など、表面と液体の相互作用を制御する方法を構築することにも展開できる」と期待している。

fabcross for エンジニアより転載)

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