NB-IoT対応IoTアプリケーション開発向け——開発ボード「TinyNB」
2019/06/26 14:00
NB-IoT開発ボード「TinyNB」がKickstarterでクラウドファンディング中だ。
NB-IoT(Narrow Band IoT)とは、LTEネットワークを利用したLPWA(Low Power Wide Area)規格の1つだ。180kHz幅と極めて狭い帯域幅で通信を行うため、最大通信速度は下り27kbps/上り63kbpsと低速で、移動中の通信もできないが、極めて省電力で、単三電池2本で10年動くといわれている。携帯電話網を使った水道やガスの遠隔検針、災害監視などでの利用が見込まれている。また、日本の携帯電話事業者はNB-IoTに対応済みで、料金プランも設定されている。
TinyNBは、NB-IoTを利用したアプリケーションの開発を目的としたボード。STM32(80MHz/64KB SRAM/256KBフラッシュメモリー)マイクロコントローラーベースで、NB-IoTモジュールは、北米地域用にはQuectel BC66を、北米以外の地域用にはQuectel BC35-GまたはBC95-Gを使用している。
TinyNBの大きさは40×60mm。14のI/Oピンにセンサー類を接続してインターネット通信し、IoTアプリケーションを動かせるように作られているが、TinyNB自体もGPSレシーバーと温湿度センサーを搭載している。プログラミングは「ST-Link programmer」で行う。
また、TinyNBをマウントして使う拡張ボード「NBBase」も用意されている。NBBaseにはインターフェースコネクター(UART/SWD/SPI)、有機ELディスプレイ、バッテリーホルダー(オプション)が搭載されている。
TinyNBの早期割引価格は、59シンガポールドル(約4700円)。TinyNBのボードのほか、ST-Link programmer、ST-Linkアダプターボード、SMAアンテナ、PCBアンテナ、同軸ケーブル、microUSBケーブル、ジャンパーケーブル10本を同梱する。NBBase、太陽電池パネル、リチウムイオン電池を含む「Starter Kit」の価格は99シンガポールドル(約7800円)。出荷はいずれも2019年9月の予定だが、日本への送料は未定だ。
なお、日本国内で無線電波を発射するには、技適(技術基準適合証明・認定)を取得し技適マークが付されていなければならないので、注意が必要だ。TinyNBに搭載されるBC95-Gは技適を取得しているが(工事設計認証番号003-180083)、実装(特にアンテナ)が認定を受けたものと異なれば無効であるため、TinyNBを購入する場合は事前にクリエイターに確認する必要がある。
TinyNBは8000シンガポールドル(約63万円)を目標に、2019年7月5日までクラウドファンディングを実施する。