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Raspberry Pi Pico 2を搭載したドローンを自作——IBUSプロトコルを採用して飛行反応を向上

Raspberry Pi Pico 2を使用したドローンの作製例をRaspberry Pi公式ブログが紹介した。

ドローンの設計にはCADソフトを使用し、密閉構造とカンチレバーアームにより、負荷に耐えられるよう設計されている。ふたにあたる部分はハニカム構造を採用して内部の冷却効果を高めており、筐体にはXT-60コネクターやMR-30コネクターが組み込まれている。

また、内部の電子部品は飛行中に動くことがないようしっかりと固定し、部品が動いて飛行を不安定にすることがないようにしている。

最初は全て3Dプリント製にする予定だったが、飛行テストで3Dプリント製のフレームは壊れやすく衝突時に折れやすいことが判明したほか、3Dプリンターの造形サイズ制限から、モーター配置に余裕がないことがわかった。これらの問題を解決するために、厚さ4mmのカーボンファイバーをCNC加工して、新たなフレームを作成。CNCソフトウェア「Carveco」で加工パスを作成し、WorkBee CNC Machineを使用して、約2時間で高強度のフレームを完成させた。

Raspberry Pi Pico 2-powered drone

ドローン制御にはRaspberry Pi Pico 2を使用し、「MPU6050」ジャイロスコープと接続してリアルタイムの姿勢データを取得している。

また、IBUSプロトコル受信機を採用することで信号処理の遅延を軽減している点も特徴だ。5つのPWM信号を個別処理することで信号処理に遅延が生じていたが、IBUSプロトコルに切り替えたことでループ周波数が10倍高速化され、飛行反応が向上したという。

ドローンにはRaspberry Pi Zero、Raspberry Pi Camera Module 2、アナログVTXも搭載しており、リアルタイムでFPV視点での飛行が可能だ。

飛行制御のプログラミングはオープンソースのフライトコントローラーファームウェア「Scout」のコードをベースにし、望ましい角速度を維持するためにPID値を使用する「レート」モードコントローラーを実装した。PID値の設定次第では危険な振動や不安定な動作が発生するため、慎重に値の調整をする必要があったとのことだ。また、安全対策としてテスト装置を作成し、各軸を分離して飛行条件をシミュレーションする工程を実施して、飛行テストの前に大まかな調整をしている。

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