ハーバード大、太陽電池で飛翔するロボット蜂を開発
2019/07/24 10:30
ハーバード大学の研究者らは、電源コードを使わずに太陽電池の電力だけで飛行できる超小型軽量ロボット「RoboBee」を開発した。
ハーバード大学ジョン・A・ポールソン工学・応用科学スクール(SEAS)マイクロロボティクス研究室の開発したRoboBeeは、翼幅3.5センチの超小型ロボット。重さはわずか259mgと、ペーパークリップの4分の1程度だ。
RoboBeeは、搭載した重さ10mgの薄型太陽電池6枚から得られる、クリスマス電飾のLEDひとつ分より少ない電力で、4枚の羽根を毎秒173回も羽ばたかせて飛行する。RoboBeeの下部に取り付けられた基板には、電力太陽電池パネルからの120mWの電気を、駆動機構に必要な193Vにまで昇圧する電子回路がある。RoboBeeはまだステアリングやコントロールの機能はないが、実験ではハロゲンランプの下、照明に向かって空中を疾走したという。
RoboBeeプロジェクトの研究責任者Robert Wood教授は、「飛行が本質的に非効率になる小型物体では、質量と動力のバランスが大きな問題となり、動力飛行は八方ふさがりだ。市販の最も小さい電池でさえ、ロボットよりはるかに重くて使えない。この課題に挑戦するため、飛翔体の効率を高め、超軽量の電力回路を作り、高性能太陽電池と組み合わせた」と、説明する。
RoboBeeのように自由飛行の可能な超小型ロボットには、環境調査、捜索救難などの用途が期待できるという。研究者達は、今後屋外での飛行を目指し、省電力化と制御基板実装のための改良を続ける予定だ。
(fabcross for エンジニアより転載)