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外部刺激に反応するソフトニューロロボットを開発——センサーとトランジスタで生体神経系を模倣

ヒューストン大学の研究チームが、外部からの刺激に対して自律的に反応できるソフトニューロロボットを試作した。外部刺激をパルス信号に変換する触覚センサーと、その信号を神経細胞と同様に処理するシナプストランジスタを設計。両者を組み合わせることで、生体の末梢神経と直接的に結合して、義肢に神経機能を付与できる人工装具の開発や、自律的に判断するニューロロボットの発展に向けた、重要な一歩になると期待される。研究成果は、2019年10月11日の『Science Advances』誌に公開されている。

生体の神経系統に関して、「人間の皮膚は、触られることを感知できる。これは皮膚から脳に繋がる神経経路を経由することで、触れられたと脳が感じている」と、機械工学科のCunjiang Yu准教授は説明する。人間の脳の神経細胞と神経細胞との間には、シナプスと呼ばれる“つなぎ目”があり、これがニューラルネットワークを構成して信号を伝えている。研究チームは、生体神経系を模して、皮膚のような触覚センサーと、神経細胞のようなシナプストランジスタを設計した。

触覚センサーは、感圧導電性ゴムをアレイ状に配置して作成され、シナプストランジスタは、エラストマー系材料を用いて作成されている。まず、触覚センサーが外部刺激を受けると“シナプス前パルス”を発生する。そしてシナプストランジスタが触覚センサーの信号を受け取ると、“興奮性シナプス後電位”や電流を発生する仕組みだ。また、短期的および長期的なメモリー機能も持っている。

多くのシナプストランジスタを組み合わせることにより、ニューラルネットワークを人工的に形成できる。更に、これらはゴムバンドのような伸縮性を持つ材料を用いて設計されているため、最大50%引き延ばされても動作し続ける。これにより、生体と同じような伸縮性と神経系統を備えたソフトロボットを作成することができる。

研究チームは、ミミズのような形状のソフトニューロロボットを試作した。このニューロロボットは、外部刺激を感知し、それに反応して自律的に動作する。「物理的な接触を感知し、シナプスにより符号化された信号を通じて、プログラム通りに適応して動くことができる」と、研究チームは説明する。研究成果は、神経機能を有する人工装具の開発、および脳構造を模擬したコンピュータ開発にヒントを与えるものといえるだろう。

fabcross for エンジニアより転載)

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