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クモの糸に匹敵——強度と靭性を兼ね備えた軽量ポリマー繊維を開発

© University of Bayreuth / Jürgen Rennecke.

独バイロイト大学をはじめとする国際研究チームは、ポリアクリロニトリルをベースとし、羽のように軽く、かつ強くて丈夫な繊維を開発したと発表した。繊維1本は人間の髪の毛ほどの細さだが、30gの重量を吊り下げても切れないという。研究結果は、2019年12月13日付の『Science』に「High strength in combination with high toughness in robust and sustainable polymeric materials」として掲載されている。

クモの糸は、強くて丈夫なことで知られている。その特性を合成繊維で再現することは難しいとされているが、強度と靭性を兼ね備えた素材に対するニーズは、産業界や医学界でも非常に高く、さかんに研究が進められている。

今回研究チームが開発したポリマー繊維は、1236±40MPaの引張強度と1gあたり137±21Jの靭性を持つ。繊維1本は約4000本のフィブリル(微小繊維)を少量の添加物で結合させたもので、直径は約40μm、重さはミバエよりも軽い。断面を拡大してみると、フィブリルは1方向に良くそろっていることが分かるが、この構造が著しい機械特性を生み出す鍵だという。

「我々が開発した繊維は、既に産業で使われているハイテクプロセスを使って容易に生産できる」と、研究チームを率いるAndreas Greiner教授は語る。エレクトロスピニング(電界紡糸)法で生成したフィブリルをまとめ、架橋剤を添加して張力を加えながらアニールすることで、繊維軸に平行に配向したフィブリルから成る繊維ができるという。

この特性により、新しいポリマー繊維は高負荷にさらされる部品に最適だと考えられる。加えて、この繊維はリサイクル可能であり、繊維産業や医療技術、自動車工学、航空宇宙産業など、さまざまな分野で革新的なアプリケーションに展開できるとしている。

「我々は将来有望な新素材への扉を開けたと確信している。産業界で実用化できる日も近いと思っている。ポリマー科学においても、高性能機能材料のさらなる研究開発の役に立てるだろう」と、Greiner教授は期待を込めている。

fabcross for エンジニアより転載)

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