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両手がふさがっていてもスマホが操作できる——舌を使ったインタフェース「[in]brace」

ドイツのデザイナーDorothee Clasen氏が修士論文のテーマとして取り上げたのは、手や指ではなく舌を利用するヒューマンマシンインタフェースだった。「[in]brace」と名付けた口腔内に装着したデバイスを使って、IoTデバイス、コンピューター、ゲームコンソールを制御することができる。研究結果は、2020年8月13日開催のオンラインイベント「Health Tech Innovation Night」で発表されている。

[in]braceは、歯科矯正用のマウスピース(リテーナー)のような形状をしている。リテーナーを上顎にはめたら、リテーナーに組み込まれた小さな磁気ボールを舌で前後に転がして入力信号を発生させる。信号は、耳にかけたWi-Fiモジュールを介して対象となるデバイスに送信される。

Clasen氏は、触覚インタフェースの現状と、人が接触を通して物と相互作用する方法を研究していた。多くのインタフェースが手や指先を使う中、Clasen氏は口腔に注目し、触れることが可能で、滑らかで信頼性の高い相互作用を有する[in]braceの開発に至った。

[in]braceには、リードセンサーを組み込み、舌で動かした磁気ボールの位置を検出できるようにしている。センサー間の位置と距離は、各ユーザーの舌に合わせて調整する必要があるため、デバイスをリテーナーに埋め込む形を取った。衛生面にも配慮して、シリコーン接着で取り外し可能になっている。

完成した試作品の動作をテストするために、Clasen氏は簡単なゲーム「TONG」を作成した。それは、卓球のようにボールをパドルで跳ね返す古典的なビデオゲーム「PONG」と同じルールで、手を使う代わりに舌を使って操作する。TONGは、ボールの動きを目で追って舌で操作する必要があるので、慣れないうちは少し操作しにくいが、すぐに慣れてゲームを楽しめるようになるという。

ユニバーサル製品としても有望で、理学療法に取り入れれば楽しみながら舌の動きが訓練できると提案している。また、ピアノを弾きながらデジタル楽譜をめくったり、スキーをしながらスマホや音楽プレーヤーを操作したりといった動作が、手足や目の動きを妨げることなく、舌の動きでできるようなると考えている。

次の課題は、デバイスをさらに小型化し、Wi-Fiモジュールとバッテリーをリテーナーに埋め込むとともに、触覚フィードバックのためのアクチュエーターを組み込むことだとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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