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JAMES DYSON AWARD 2020の国内最優秀賞受賞作品を発表——声を取り戻せるウェアラブルデバイス「Syrinx」が受賞

ジェームズダイソン財団は2020年9月23日、「JAMES DYSON AWARD(JDA)2020」の国内最優秀賞作品を含む上位2作品を発表した。

JDAは同財団が主催する国際的なエンジニアリングアワードだ。昨年開催されたJAMES DYSON AWARD 2019では、魚の皮とウロコ、海藻を使用した生分解性バイオプラスチック「MarinaTex」が国際最優秀賞を受賞している。

今回のJDA2020には世界27カ国が参加し、各国から1794の作品が集まった。日本の国内最優秀賞は、竹内雅樹氏(東京大学大学院)ら4名チームによる、声を取り戻せるウェアラブルデバイス「Syrinx」が受賞した。受賞作品には賞金2000ポンド(約28万円)が贈られる。

Syrinxは、喉頭を摘出し発声能力を失った人のためのウェアラブルデバイスだ。喉に外部から声の素となる振動を与えることで、再び人と話せるようになる。失う前の声の録音データを元に、AIで声帯の振動音を生成して元の声を再現する。ハンズフリーで使用できるため、日々の生活動作を妨げないことも特徴だ。

また国内準優秀賞には、樋口翔太氏(筑波大学大学院 知能機能システム学位プログラム1年)が開発した、人手不足をサポートする低コストなロボットアーム「Robotic Drink Bar」が選ばれた。

Robotic Drink Barは人手不足が深刻な飲食/農業分野に適したスペックの、導入/運用コストの低いロボットアームで、同製品を用いてまずは飲食分野の自動化に取り組む予定だ。自動販売機型での自動化の検証を行い、検証後には自動販売機型や店舗型での展開を予定している。

上記2作品を含む各国作品群は国際第2次審査へと進む。さらにその中からTOP20作品が選ばれ、国際最終審査を経て最終結果が発表される。選考結果は、TOP20が10月15日に、最終結果は11月19日に発表予定だ。

国際最優秀賞受賞者には賞金3万ポンド(約420万円)、受賞者が在籍または卒業した教育機関には寄付金5000ポンド(約70万円)が贈られる。

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