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Materialise、SLS方式3Dプリンター用材料粉末の100%再利用を可能にする技術「Bluesint PA12」を発表

ベルギーに本拠を置き、産業分野および医療分野で3D技術ソリューションを提供しているMaterialiseは、SLS方式3Dプリンター用PA12材料粉末を100%の再利用を可能にする技術「Bluesint PA12」を発表した。

Bluesint PA12

ポリアミドなどの樹脂粉末をレーザーで焼結して造形するSLS(選択的レーザー焼結)法は、広く利用されている3Dプリント技術の1つだ。SLSの代表的な材料粉末はPA12(ポリアミド12)だが、プロセス上、材料粉末のうち最大50%は焼結されずに残る。残余の材料粉末を再利用すれば、廃棄物を削減し物品の製造コストを大幅に下げられるが、その反面、「オレンジピール効果」と呼ばれる凹凸の激しい面荒れが形成されやすくなる。

オレンジピール効果は、焼結から焼結までの間に材料粉末が冷えて収縮することによって引き起こされる。現在の対処方法は、使用済みの材料粉末と未使用の材料粉末を混ぜることだが、これは持続可能性の見地からも好ましいことではない。

Bluesint PA12
Bluesint PA12

Materialiseのエンジニアらは、複数のレーザーを装備する3Dプリンターを使い、1つのレーザーを粉末焼結に、もう1つを粉末の温度を一定値以上に保つことに使った。レイヤー間での粉末の温度低下を防ぐことにより、オレンジピール効果を防止することができる。Materialiseは、100%再利用材料粉末で造形した造形物の機械的特性と外観は、未使用の材料粉末による造形物と遜色のないものであり、廃棄物を大幅に減らすことができたとしている。

Materialiseは、2021年中にBluesint PA12を稼働するレーザー焼結機を複数台設置し、初期段階でも通常は廃棄されることになる5トン以上の材料を再利用することを目指している。

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