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MIT、3Dオブジェクト表面の光沢を再現できる3Dプリンターを開発

MITコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究チームは、3Dオブジェクト表面の光沢の変化をより忠実に再現する3Dプリントシステムを開発した。より本物に近い美術品の複製や義肢の作製が期待できる。研究結果は、2020年12月4~13日にオンライン開催された「SIGGRAPH ASIA 2020」で発表された。

形、色、光沢、この3つは物の外観の印象を大きく左右する。現在の3Dプリンターは、形と色の再現性は高くなってきたが、光沢に関してはまだ課題を抱えている。

例えば従来のプリンターでは、1つのオブジェクト内で表面を場所によって光沢あり(グロス)/なし(マット)を切り替える場合、1工程では終えることができない。まず、マット仕上げにしたい部分をサポート材で覆い、グロス仕上げでプリントしてから、サポート材を除去して所望の粗さに仕上げる必要がある。これは、「プリンター側に、ある場所はマット仕上げ、別の場所はグロス仕上げ、と設定できる機能がないからだ」と研究チームのMichael Foshey氏は指摘する。

また、マット仕上げに使う粘度の高いニスは粒子が大きく、3Dプリンターのノズルが詰まりやすいため、扱うのが難しい。

そこで、研究チームはプリンターのノズル径を拡大し、様々な粒子サイズのニスを積層できる機能を搭載した。ニスはプリンターに取り付けた加圧タンクに貯蔵され、タンクはピエゾと連動したニードルバルブとつながっている。バルブの開閉によりオブジェクトの表面にニスのドットが放出されるが、そのドットの大きさはタンクの圧力やニードルバルブの開閉速度を制御することで変えられる。プリンターには、グロス、マット、中間の3種類の市販のニスをセットし、ドットを組み合わせて光沢の階調を表現するハーフトーン加工を施せるようにした。

また、プリンターの出力を制御するためのソフトウェアも開発している。事前に3種類のニスを使ってキャリブレーションパターンをいくつも印刷することで、最適なプリントジョブを決定できる。

研究チームは、高さ0.5cm程度の2.5次元物体の表面に対して、光沢からマットまで連続的に光沢の度合いを変えながら、均一な厚みで広範囲をプリントできることを実証した。Foshey氏は、この技術が「本物と複製の見分けがほとんどつかないほど」見た目が完璧な3Dプリント技術に向けての第一歩になると期待を込めている。今後は、このシステムを3Dオブジェクト用に拡張し、市販の3Dプリンターと統合する予定だ。

fabcross for エンジニアより転載)

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