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惑星探査向けに氷でできたロボット「IceBot」を開発——壊れても現地で修理が可能

Photo: GRASP Lab

ペンシルベニア大学GRASPラボの研究者チームは、地球外天体における惑星探査ロボットの故障に備えて、車輪など交換部品を現地調達しやすいように、車輪やボディを氷から作った「IceBot」を作製した。傾斜2.5度の氷床を上ったり、排雪板で紙くずを除去しながら進む様子を公開している。研究結果は、2020年10月25~29日にオンライン開催された「IROS(知能ロボットとシステムに関する国際会議)2020」で発表された。

ロボットはいつか故障する。それが極地ロボットや惑星探査ロボットだった場合、交換部品を現地に送っていては時間もコストもかかる。部品を現地で安く調達して加工できれば、非常に便利だ。研究チームは、遠隔地や過酷な環境で動作するロボットシステムの堅牢性を高めながらも低システムコストを実現するため、現地で入手可能な材料を使ったロボット製造について検討した。北極や南極、火星の極冠や木星の衛星エウロパには大量の氷がある。そこで、氷からロボットを作る方法を考え始めた。

開発コンセプトは「自己再構成、自己複製、自己修復」。もちろん、氷からアクチュエータやバッテリー、電子部品は作れないので、氷で作るのはボディや車輪といった部分だ。チタンや炭素繊維と比べると構造材料としては劣る。しかし、氷には付加加工や除去加工といった様々な加工法がある。モールド、3Dプリント、機械加工について、設計の自由度、エネルギーコスト、製造時間を比較したところ、ドリルで氷を切断する方法がエネルギー効率が最も高く、効果的だと判明した。

研究チームは、コンセプト実証機として大きさ約140×200×130mm、重さ6.3kgの対向2輪型ロボットを作製。穴をあけた部分にアクチュエータや部品を取り付け、水の凝固を利用して固定した。ロボットは、周囲温度が十分低く、理想的にはロボットが発する熱で氷が解けないこと、氷に覆われた場所で動作することを前提としている。-17℃の環境での走行テストでは、最大2.5度の傾斜を持つ氷床を上ることができた。

今回はまだ予備的な研究で、ICEBotが「自己再構成、自己複製、自己修復」能力を獲得ためにすべきことはたくさんある。修理に必要な材料を集めるための探索機能や、自己修復するためのマニピュレーターを備えるなど、研究チームにアイデアはあるようだ。今後研究が進めば、氷惑星など地球外天体における生命探査やデータ収集で活躍できるかもしれない。

fabcross for エンジニアより転載)

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