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MIT、NOxの排出量を95%削減できる新型ハイブリッド電動飛行機を考案

米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは、新型ハイブリッド電動航空機のコンセプトを発表した。排ガス制御システムを搭載し、大気汚染物質となる窒素酸化物(NOx)の排出を95%削減できる。研究結果は、2020年12月7日付けで『Energy and EnvironmentalScience』に公開されている。

世界を飛び回る航空機から排出されるNOxは、地球全体に影響を与え、大気汚染や気候変動の一因となっている。NOxは喘息など呼吸器系や循環器系の疾患に関連し、年間1万6000人の早期死亡につながっているという調査結果もある。

研究チームは、自動車のクリーンディーゼル車に用いられているアンモニアを使ってNOxを還元するSCR(選択触媒還元)システムに着想を得て、NOxの排出を抑えたクリーンなハイブリッド、もしくは電動ターボ航空機のデザインを提案している。

そこでは、従来の航空機とは異なり、プロペラやファンからガスタービンが分離している。航空機の貨物室に搭載したガスタービンが発電機を動かし、発電機が翼のプロペラやファンを動かす。また、ガスタービンからの排出ガスは、「燃焼後排出抑制(PCEC:Post-Combustion Emissions Control)システム」を通すことで、クリーンディーゼル車のように、きれいな排気ガスを大気中に放出するというものだ。

「このコンセプトには、まだたくさんの工学的課題があるが、基本的な物理的制約はない」と、航空宇宙工学の教授で研究チームを率いるSteven Barrett氏は語る。

ガスタービン、発電機、PCECは民間航空機の貨物室に十分収まるボリュームで、追加となる重量は数百kgだ。例えば、Boeing 737やAirbus A320のような小型旅客機に搭載した場合、燃料の増加は0.6%程度と試算している。何トンものバッテリーを搭載する全電動航空機と比べて「何倍も実現可能なコンセプトだ」とBarette教授は述べている。

見積もりによればPCECを採用することで、NOx排出量が約95%削減できるという。燃料には硫黄による触媒の被毒を避けるため、超低硫黄(ULS)燃料の使用が前提となる。ULSとPCECの使用により、航空機の大気汚染に起因する早期死亡者のうち約92%にあたる人々を救うことができるとしている。

「我々は、気候への影響を基本的にゼロにし、大気汚染による死亡もゼロにする必要がある」とBarrett教授は考えている。研究チームは、NOxだけでなく、二酸化炭素など気候変動の原因物質の排出をゼロにする「ゼロインパクト」航空機の設計にも取り組んでいる。

fabcross for エンジニアより転載)

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