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STEM教育へのアクセス格差解消に——低価格の教育用ロボティクスキット「OpenBrick」

低価格の教育用ロボティクスキット「OpenBrick」がKickstarterでクラウドファンディング中だ。

OpenBrickは、Arduinoベースの教育用ロボティクスキット。中核を成すモジュールは超音波センサー、DCモーターポート×2、ステッピングモーターポート×2、補助ポートなどを備え、温湿度センサー、DCモーター、ステッピングモーターなどを接続して、ローバーなどのロボットを組み立てることができる。OpenBrickは3Dプリントされたパーツと市販の部品から成り、安価で、ユーザー自ら交換や修理が可能な構成になっている。

OpenBrick

OpenBrickは、全ての生徒たちが低コストで教育用ロボットに触れられるようにすることで、STEM教育の公平性を促進するという取り組みだ。

OpenBrickのクリエイターは、博士号取得を目指している元数学教師。勤務していた高校で、慢性的な資金不足のため、多くの生徒たちが効果的で実践的な教育を受けられない現実を目の当たりにしたという。市販の学習教材は高価で、ロボットキットは1つ500ドル(約5万4000円)もするためとても購入できず、ロボティクスについて生徒たちに思うように教えることができなかった。このような教育用ロボットへのアクセス格差の解決策として、市販製品と同等品でありながら低価格のOpenBrickを開発したとしている。

OpenBrick

さらに、クリエイターはOpenBrickのキットを100個製作して、STEM教育者たちに提供し、国際規格ISO 9241-11:2018に基づいてOpenBrickがSTEM授業で使われた際のユーザビリティ(有用性)に関する研究調査を実施することを考えている。この調査への支援金は5000ドル(約54万円)だ。

OpenBrickの価格はモジュールのみが59ドル(約6400円)で、ローバー組み立てキットが79ドル(約8600円)。この他にも、ペンで図形を描くロボットのキットや、光センサーと温湿度センサーを含むキットなどが用意されている。全部のオプションを含むキットは139ドル(約1万5000円)だ。OpenBrickの出荷は2021年12月の予定だが、出荷先は米国内に限られている。

OpenBrickは5000ドル(約54万円)を目標に、2021年4月1日までクラウドファンディングを実施する。

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