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皮膚から放出される熱を捉え、ウェアラブルデバイスに電力を供給する小型発電機を開発

ハルビン工業大学の研究チームは、人間の皮膚から放出される熱を電力に変換する小型で柔軟なデバイスを開発した。リストバンド型のウェアラブルデバイスを作製し、手首の熱からLEDライトにリアルタイムで電力を供給できることを確認した。研究成果は、『Cell Reports Physical Science』誌に2021年4月29日付で公開されている。

開発したデバイスは、温度勾配を利用して熱エネルギーを電力エネルギーに変換する熱電発電機(TEG)と呼ばれるもの。周囲の環境に対して温度が高い体温を利用して発電する。TEGは無駄な熱を電力に変換できるため、近年求められている環境に優しいエネルギーとして利用できる。また可動部が存在しないため基本的に保守作業を必要しないという特徴があり、遠隔地や宇宙空間で利用されてきた。

研究チームはこれまでもTEGの開発に取り組んできたが、今回、人気が高まりつつあるフィットネストラッカーやスマートウォッチ、バイオセンサーなどのウェアラブルデバイスに、TEGが利用できるかを検討した。

従来のTEGは硬いものが多く、200回以下の曲げにしか耐えられなかった。また柔軟性のあるTEGで曲げに耐えられたとしても、電力変換の性能が不十分であった。そこで新しいTEGでは、コアとなる電気部品を伸縮性があり接着性の高いポリウレタン素材に取り付けた。その結果、性能を維持したまま1万回以上の曲げに耐えられるようになった。また、従来のTEGで多く使われているレアメタルのビスマスを、マグネシウムを用いた材料に部分的に置き換えることで、大量生産時のコストを大幅に削減した。

プロトタイプとして作製したLEDを取り付けたリストバンド型TEGは、皮膚表面の温度が約34℃、周囲温度が約16℃の条件下で、温度差を利用してLEDを点灯することができた。

論文の責任著者であるFeng Cao氏は、「今回開発したプロトタイプは、市場に出せる十分な性能を持っています。適切な電圧変換器があれば、スマートウォッチや脈拍センサなどの電子機器にも電力を供給できます」と、述べている。研究チームは、今後より効率的に熱を吸収できるように改良を進める予定だ。

fabcross for エンジニアより転載)

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