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ソフトロボット制御に使用できる空圧式メモリーを開発

ソフトロボットの制御に使用できる空圧式メモリーが、米カリフォルニア大学リバーサイド校(UCR)で開発された。

ソフトロボットは、柔らかくゴムのようなアームやグリッパーを備え、デリケートな作業をする場合は従来の「硬い」ロボットより優れている。

しかし、空気圧ソフトロボットの制御システムは、依然として電子バルブとコンピューターを使用してロボットの可動部品の位置を保持している。これがソフトロボットのコストやサイズ、電力面で負担となっているため、ソフトロボット実現の可能性を制限しているという。

空気圧ソフトロボットには、可動部品の位置を記憶してその情報を保持する方法が必要だ。研究者たちは、ソフトロボット用の空圧式論理「メモリー」を作成できれば、現在使用されている電子メモリーを排除できると考え、マイクロ流体バルブを使用した空圧式ランダムアクセスメモリー(RAM)チップを開発した。

マイクロ流体バルブは、空気供給ラインから切り離された場合でも圧力差に対して密閉されたままであるため、その圧力差が空圧式メモリーとして機能し、ソフトロボットのアクチュエーターの状態を維持する。このバルブを高密度で配置すると、時分割多重化やアナログ-デジタル変換などの高度な操作を空気圧を用いて実行する複雑な回路を作ることができる。マイクロ流体バルブで作られた空圧式メモリーでは、大気圧が「0」または「FALSE」値を、真空が「1」または「TRUE」値を表す。

UCR pneumatic RAM

「空圧ロジック」の歴史は電子コンピューターよりも古く、1900年代初頭には、「ピアノロール」と呼ばれる巻き紙に穴を開けて記録したピアニストの演奏情報を読み取って空気の力で演奏する自動ピアノが作られていた。UCRの研究者たちは、ピアノロールの代わりに、RAMチップのチャンネル内で大気圧と真空の組み合わせを変化させて、3Dプリントしたソフトロボティックフィンガー4本をコントロールし、非常にゆっくりとだが、童謡「メリーさんのひつじ」をピアノ演奏させることに成功した。

この空圧式メモリーの詳細は、オープンアクセスジャーナル『PLOS ONE』に掲載されている。

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