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共鳴トンネル現象で従来の100倍以上のエネルギー変換効率——レクテナを使った環境発電

Image: Moddel Lab

米コロラド大学の研究チームは、電子が壁を通り抜けるのと同じような量子効果を利用して光レクテナのエネルギー変換効率を劇的に高める方法を発見した。研究成果は、5月18日付で『Nature Communications』に掲載されている。

レクテナ(rectenna)とは、rectifying antennaの略で、整流器(rectifier)とアンテナ(antenna)を組み合わせて、電磁波を直流電流に変換するデバイス。光起電力効果による太陽電池とは全く異なった原理を持つ。

一般的に電磁波を電流に変換するレクテナのうち、光の周波数帯域で動作するものを光レクテナと呼んでいる。光レクテナは理論的に、無駄になっていた排熱からエネルギーを取り出すことができる。熱源からは赤外線が放射されているからだ。しかし、その変換効率はあまりにも低いことがわかっている。問題は、熱放射を取り込むためにレクテナを非常に小さくする必要があるが、小さくするほど抵抗が大きくなり、出力が低下することだ。

従来のレクテナでは、発電するために電子が絶縁体を通過しなければならない。一方で、この絶縁体の抵抗が大きいため発電量が減少してしまう。今回の研究では、逆転の発想で、1つの絶縁体ではなく、2つの絶縁体を加える構造metal-double-insulator-metal (MI2M) diodesを採用。量子井戸の狭い溝を適切な厚さと材料の絶縁体で挟むことで、電子がエネルギーを与えられたときに、抵抗を受けずにトンネルを通過することができる。このような現象を「共鳴トンネル現象」というが、光レクテナで実証するのは今回の研究が初めてだ。

研究チームは、ニッケル、酸化ニッケル、酸化アルミニウム、クロム、金で作った、長さ11 nm、幅6 nmほどのボウタイ状のレクテナを、25万個以上並べてテストをした。その結果、従来の光レクテナに比べて100~1000倍の変換効率が得られたという。

研究チームのBelkadi氏は「変換効率は0.001%と小さく、まだまだ道のりは長い。しかし、より多くの電子が通過できるような材料を探し出すことで、変換効率をさらに1000倍程度高めることができるだろう。1~2%の変換効率といえども、大量のエネルギーが廃熱として捨てられていることを考えれば、レクテナを建物の壁に用いることは十分に価値がある」と語る。

fabcross for エンジニアより転載)

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