バイオマス素材と3Dプリンターで循環型都市づくりを目指す「Recapture」プロジェクト
2021/09/02 11:30
建築マネジメント事業などを手掛けるNODらが、生分解性バイオマス素材や有機廃棄物などを3Dプリンターによって加工および再利用し、循環型の都市づくりを目指すプロジェクト「Recapture」を開始した。
同プロジェクトは、NODとネクアス、およびBooleanの3社による共同プロジェクトだ。「自然と人間のつながりを捉え直し、有限の資源を利活用する循環型都市を実現する」ことを目指す。これまで都市空間を構成する要素の多くは使用後破棄されてきたが、再利用可能な素材を3Dプリンターを活用して加工し、作り手がクリエイティビティを発揮しつつ、環境負荷の低い都市を作ることを目標にする。
今回プロジェクトの第1弾の取り組みとして、ネクアスが開発した生分解性酢酸セルロース素材「NEQAS OCEAN」を活用した大型3DP家具を発表した。
酢酸セルロースは、木材繊維や綿花などの自然由来の資源を用いた素材だ。高い生分解性を有し、使用後は土に埋めたり海中に沈めたりすることで水と二酸化炭素に分解する。今回使用する素材NEQAS OCEANは、その酢酸セルロースに独自技術で可塑剤を配合し、熱成形できるようにしたセルロース系バイオマス素材だ。可塑剤には人体への影響がない素材を利用している。
今後は車や船などのモビリティ、住宅やカフェ、商業施設などの建築物、さらに橋やトンネルなどの建造物まで、都市を構成するさまざまな要素を3Dプリンターと再利用可能な素材を使って構築していくという。