幅800mの海洋プラゴミ回収装置、太平洋ゴミベルトで実証実験中
2021/11/04 07:00
オランダに拠点を置くNPO The Ocean Cleanupは、海洋のプラスチックごみを回収する新たなシステムの実証実験を行っている。「System 002」と名付けられたU字型のごみ収集装置を2隻の船で曳航し、U字の底の部分に浮遊プラスチックを寄せ集めていく仕組みだ。
新システムは「Jenny」の愛称で呼ばれ、プラスチックが漂うスピードよりわずかに速い1.5ノット(時速2.8Km)で進む。Jennyの開口部の幅は800mもあり、パラシュート型アンカーを使った「System001」よりも広域をカバーできるのが特徴だ。将来的にはオペレーションを無人で行うことも視野に入れる。
実験は「太平洋ゴミベルト」と呼ばれるカリフォルニアとハワイの間にある北太平洋の海域で実施しており、データや知見を得つつ、生態系に悪影響を及ぼさないことにも配慮している。
世界中の海には、5兆個ものプラスチックごみが浮遊しているとされ、海流によって5カ所の海域に集まっているという。推定で1兆8000億個以上、重量8万トンのプラスチックごみが浮遊するとされる太平洋ゴミベルトは、その中でも最大のものだ。
The Ocean Cleanupは、2040年までに海洋プラスチックごみを90%削減することを目標に掲げており、今後のスケールアップに向けてさらなる改良型「System 003」の開発も進めていく考えだ。
(fabcross for エンジニアより転載)