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自動車870台分相当のCO2を捉えるアイスランドのDACプラント

アイスランドで、大気中の二酸化炭素(CO2)を直接回収する「Direct Air Capture(DAC)」プラント「Orca(オルカ)」が2021年9月8日に稼働を開始した。

首都レイキャビクの郊外に建設されたOrcaは、スイスのClimeworks社の技術でCO2を回収し、アイスランドのCarbfix社のCO2鉱化技術で地中に深く封じ込めるプラントだ。

Orcaはファンで空気を吸い込みながらCO2を回収して濃縮し、それを水と一緒に地中深く送り込む仕組みだ。

Orcaは4つのユニットから成り、各ユニットはそれぞれ6基のコレクタを持つ2台のコンテナで構成される。6基のうち常に1基がCO2フィルタで回収、5基が大気からの吸着を行う。Orcaは、年間4千トンのCO2を大気中から直接回収することができる。これは、自動車870台分に相当するという。

当然ながら、DACプラントで回収するCO2の量は、プラント自身が排出する量よりも多くなければならない。Climeworksによれば、Orcaの全ライフサイクルにおいて排出するCO2の量は、Orcaが回収するCO2量に対して10%に満たないという。

地熱発電所から回収したCO2は地中深くの玄武岩層に注入して鉱化させ、数年かけて炭酸塩鉱物に変えていく。これにより、CO2をプラント内に安全に封じ込められるとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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