2025年までに都市型エアタクシー用VTOL50機を投入予定——航続距離は500マイル以上
2021/11/15 14:40
米Paragon VTOL Aerospace(以下、Paragon)は、テキサス州ブラウンズビル市において2025年に開始する都市型エアタクシー運動のために、垂直離着陸機(VTOL)50機の投入を約束したと、同市が2021年8月30日に発表した。Paragonと同市は以前から協力関係にあり、2021年6月には、市内の国際空港にある工業団地にParagonが製造拠点を建設することを発表している。
Paragonが提供するサービスを利用することで、ブラウンズビル市およびその周辺地域での移動にかかる時間を短縮できるようになる。このVTOLは乗客用座席9席を備え、ゼロカーボンかつゼロエミッションの燃料システムを搭載しており、航続距離は550マイル(約885km)を超える。
Paragon公式Webサイトによると、現在開発中の「Paragon Soar」は、ハイブリッド電気推進装置を備えた、航続距離500マイル(約805km)以上のVTOLとされている。
Paragon Soarは、独自のカーボンファイバー構造の耐霜性機体で、70デシベルのエンジン、ダクトユニット当たり500馬力の電気モーターを備える。また、Paragon公式Webサイトに掲載されている画像や動画から、胴体側面の左右それぞれに4つずつ、計8つの大きなダクテッドファンを装備し、その内6つは据え付け型で、最後方の2つは飛行中に傾いて動作することが見て取れる。さらに、固定翼に小さなマイクロプロペラがいくつも埋め込まれており、このマイクロプロペラが離着陸時の騒音を低減するようだ。
ただし、公式Webサイトに掲載されている画像は、開発中のVTOLの完成予想図であり、最終バージョンは米国連邦航空局(FAA)の承認を受けた機体をベースにする予定で、それに伴って商業用VTOLは変更する可能性があるとしている。
同社はParagon Soarの実物大試験を2022年に実施し、FAA、欧州航空安全機関(EASA)、英国民間航空局(CAA)による認証を取得後、2024年の出荷を予定している。
(fabcross for エンジニアより転載)