自分だけの超小型衛星を作ろう——人工衛星の仕組みを学べる組み立て開発キット「MySat Kit」
2021/12/07 08:00
組み立てながら小型衛星(CubeSat)の仕組みや機能を学べる開発キット「MySat Kit」がKickstarterに登場し、人気を集めている。
MySat Kitは、アマチュアの宇宙ファンや学生が、自宅や学校でCubeSatの開発とミッションを体験するためのガジェットだ。そのため、センサーや制御アプリは備えるものの、現時点では宇宙への打ち上げ計画はない。
MySatはCubeSat規格に準拠しており、大きさは100×100×100mmで、重さは230g。基板、マイクロコントローラーESP32、カメラ、温度/湿度/圧力/光センサー、通信モジュール、バッテリーなどを搭載する。実際の人工衛星と同じく、ピンを抜くと回路が導通するRBF(Remove Before Flight)ピンも備える。USBケーブルを接続して家庭用コンセントからUSB経由での充電が可能だ。
筐体フレームは3Dプリンターで作製し、組み立てする際にはんだ付けや電子機器に関する特別な知識は不要で、誰でも組み立てられる。MySat Kitを組み立てると、カメラ映像をミッションコントロール画面で確認したり、温度や湿度を測定したりできる。筐体フレーム用3Dプリントデータをはじめ、PCBやArduinoベースのファームウェアなどはオープンソース化されている。ハードウェアやソフトウェアもユーザーが好きなようにカスタマイズできるため、新しい技術やツールを学びつつ、楽しみながら宇宙技術を理解できる。
MySat Kitは、基板とセンサー類、3Dプリント用ファイルをセットにした「Basic Kit」をベースに、ユーザーのレベルや用途に合わせて「Beta Tester Kit」や「Space Fan Kit」、そしてソーラーパネルが付属する「Space Geek Kit」を用意している。Basic Kitの場合、早期割引価格は98ドル(約1万1000円)で、出荷予定は2022年3月。日本への送料は20ドル(約2300円)だ。
MySat Kitは、2021年12月31日までクラウドファンディングを実施中。2021年12月6日時点で、目標額7000ドル(約79万円)を上回る約9900ドル(約110万円)を集めている。