注射針を使わずに筋肉注射する自律型ロボットシステム——ワクチンの打ち手不足解消を目的に開発
2021/12/18 07:00
カナダのウォータールー大学発ベンチャー企業であるCobionixが、薬液充てん済みバイアル容器の装てんから人体への筋肉注射、使用済み容器の排出までを全て自動で行う世界初のロボット「Cobi」を開発した。新型コロナウイルスが世界的にまん延し、各国でワクチンの大規模接種が進む中、課題となっているワクチンの打ち手不足解消を目的に、同社はCobiを開発した。
ウォータールー大が公開している動画によると、Cobiによる注射を受ける人はオンラインで事前登録し、Cobiに設置されているスクリーンに自分のIDをかざして本人確認をする。Cobi内部には薬液が入ったバイアル容器がセットされており、注射するたびにCobiは自動で容器をアームに充てんする。LiDARセンサーで注射すべき位置を検知してアームが動き、薬液を組織内に注入する。使用済み容器は自動的にアームから排出されてCobi内部に格納されるという流れだ。Cobiは注射針を備えておらず、人間の髪の毛ほどの細さの高圧ジェット噴流で薬液を注入するという。
Cobionixの共同創業者兼CTOのNima Zamani氏は、自動化によってヘルスケアに従事する労働者を守ることができるだけでなく、ヘルスケアにかかるコストも削減できるとCobiの意義を説明する。また、同社の共同創業者兼CEOのTim Lasswell氏は「Cobiは幅広い用途で使えるロボットプラットフォームで、迅速に設置することができ、タスクを100%自動でこなせる」とコメントしている。
(fabcross for エンジニアより転載)