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ビルドプレートを降下させながら硬化——新技術DCLF方式の光造形3Dプリンター「Rocket 1」

独自の「Digital continuous liquid forming(DCLF)」技術を採用し、高速で高精細な造形を可能にする光造形3Dプリンター「Rocket 1」がKickstarterに登場し、プロジェクト開始後わずか10分で目標額を達成するほど人気を集めている。

DCLF技術とは、クリエイターが独自開発した新しい光造形3Dプリント技術だ。ビルドプレートを降下させながら光を上からレジン表面に照射して造形するトップダウン方式を採用し、LCDスクリーンや離型フィルムは使用しない。場合によってはサポート材も不要となるため、ランニングコストを抑えられる。

Rocket 1

ナノ粒子を拡散させた独自開発のレジンは、造形中もナノ粒子が素早く液面を水平にし、従来より造形時間を大幅に短縮する。クリエイターは、空気中の酸素と触れる未硬化レジンの薄い層を「デッドゾーン」と呼んでおり、照射光はデッドゾーンを通過してデッドゾーン直下のレジンを硬化させる。レジンは常にデッドゾーンに流入して液体の層を形成するため、硬化部分は沈み込みの影響を受けにくく、高品質の造形を可能にしているという。

Rocket 1

レジンタンク容量は3.7kg。専用レジンの使用を推奨しており、透明レジンを含む8種類のレジンが用意されている。少量だけプリントしたいときは、充てん液を注いで増量するとレジンが無駄にならない。充てん液はレジンに溶けず毒性もなく、使用後はレジンと分離して再利用することが可能だ。

Rocket 1

「Rocket 1」と「Rocket 1 Pro」の2機種を用意しており、最高造形速度はそれぞれ380mm/時間、420mm/時間で、従来よりも20~60倍速いとしている。XY解像度は、Rocket 1が0.05mm、上位機種であるRocket 1 Proが0.035mmで、Z解像度はいずれも0.001mmだ。積層ピッチは、両機種ともに0.025mm~0.2mm。造形物に直径0.2mmの細孔を設けることも可能で、実験や試作、産業用途にも適している。

Rocket 1

造形サイズはRocket 1が130×82×150mm、Rocket 1 Proが143×89×150mm。どちらも、本体サイズは330×330×790mmで、重さは15kgだ。耐用時間は約1万8000時間としている。

Rocket 1 Pro本体に500mlレジンと400g充てん液などをセットにした特別早期割引価格は、749ドル(約8万5000円)。Rocket 1の特別早期割引価格適用分は既に受付終了しているが、5kgレジンを含むバンドルセットは特別価格836ドル(約9万5000円)で入手可能だ。出荷は2022年5月の予定で、日本への送料はキャンペーン終了後に確定する。

Rocket 1は、2022年1月22日までクラウドファンディングを実施中。2021年12月20日時点で、目標額5万ドル(約570万円)の14倍以上となる約71万ドル(約8000万円)を集めている。

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