空き缶と電気モーターと3Dプリント部品でジェットエンジンを自作
2022/03/18 07:30
テック系YouTuberのJoel氏が、自身のYouTubeチャンネルIntegzaで空き缶、電気モーター、3Dプリント部品などを使ったジェットエンジンの自作動画を公開した。
ターボジェットエンジンはジェットエンジンの中でも「最高峰」とされているが、今回作製したのはそういったターボジェットエンジンではない、とJoel氏は動画冒頭で前置きしている。
ターボジェットエンジンのコンプレッサーは1分間で何万回も回転する必要があり、ターボジェットエンジンの部品は全て完璧なバランスを保つ必要がある。しかし、そこまで高速回転するタービンを作製するのは簡単ではないため、代わりに電気モーターを使ってコンプレッサーを回転させることにしたという。
エンジンボディは、空にした金属製ガスボンベ2本を溶接して作り、場所的に高温になることがないコンプレッサーは樹脂を使って3Dプリンターで作製した。
次は燃焼室だが、単に燃料となるガスを注入して点火するだけでは不十分なので、高圧の空気を低速で送り込むために、アニュラー型燃焼器からヒントを得た独自の燃焼室を作製した。燃焼室の加工時に使うスポット溶接機も買うと安くはないため、工具を改造して自作している。スパークプラグのベースに使用したのは、市販の金属ストローだ。
燃焼試験では、エンジンの噴射口近くに撮影用カメラを置いていたところ、カメラ上部に取り付けていたマイクが焦げてしまったが、自作のエンジンは10秒間の燃焼にも耐えることができたという。
次に、実際に推力が出るか確かめるため、ガスボンベやバッテリーと共に自作エンジンをスケートボードに載せて取り付けてみた。動画では、重さ約300gのエンジンが、約3kgのスケートボードをゆっくりだが確実に前進させる様子が映っている。
Integzaでは、これまでにもさまざまな3Dプリント製エンジンを自作している動画を公開しており、今回、金属製ボディが溶けないジェットエンジンを作製できたことに「夢がかなった」と喜ぶと同時に、チャンネル視聴者にも3Dプリンターで試作してみるよう呼び掛けている。