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宇宙空間を動き回る——MIT、電磁石で自己変形するキューブ型ロボットを開発

Photo: Steve Boxall/ZeroG

マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL)の研究チームは、宇宙空間での利用を想定し、電磁石を利用して自己変形するモジュール式ロボットを開発した。1辺60mmの電磁石をフレームに持つキューブ「ElectroVoxel」を使ってロボットをボクセル化し、各キューブが引力と斥力を利用して転がりながら移動することで、モーターや推進剤が無くても形状を変えられる。研究結果は、2022年5月のロボット工学とオートメーションに関する国際会議「ICRA 2022」で発表する予定だ。

自己変形できるモジュール式ロボットは、宇宙探査、捜索救助、形状変形インタフェースなどへの適応が期待されている。しかし、従来システムの多くはモーターやギアなど機械部品を利用するため、複雑でかさばり、コストもかかっている。

そこでCSAILの研究チームは、電磁気力に着目し、小型で製造しやすく、安価な電磁石を組み込んだキューブ型のElectroVoxelを基本構成として開発し、素早く形状変化できるロボットを作製した。

ElectroVoxelは1辺60mmの立方体で、各辺は銅線を巻き付けたフェライトコアでできている。コアと巻き線を合わせた費用は1本あたり60セント(約70円)程度だという。内部には、マイコンやワイヤレスモジュール、LiPoバッテリーなどを搭載し、キューブの総重量は約100gだ。

キューブには、発進/移動/捕捉(launch/travel/catch)の3段階の分極シーケンスがあり、電磁石同士が引き付けたり、反発したりすることで、ピボット動作やトラバース動作をする。電磁石の極性とキューブの動きを割り当てられるシミュレーターも作り、何千個ものキューブの変形動作を数クリックの操作で可視化できるようにした。

エアテーブルに置いたキューブがピボット動作やトラバース動作することを確認した後、放物線飛行によって作り出した微小重力環境下においても、2つのキューブがピボット動作することを確認した。

この結果から、宇宙構造物の拡張や交換、一時的な宇宙飛行士の補助や宇宙船の調査、自己変形する貯蔵庫など、将来の宇宙探査に活用できる。推進剤がなくても動作するため、打ち上げロケットの軽量化にも貢献する。

「この研究では、電磁力を利用して動くピボットキューブの組み立て、操作、整備がどれだけ簡単か示しており、将来の探査ミッションにおける高度な部品設計のアイデアにつながる、柔軟でモジュール式の再構成可能なシステムが期待できる」と、ESA(欧州宇宙機関)の先進コンセプトチームの責任者であるDario Izzo氏も語っている。

fabcross for エンジニアより転載)

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