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下り坂を走行することで充電する運搬鉄道「INFINITY TRAIN」の開発を発表

鉄鉱石産業大手の豪Fortescue Metals Group(以下、Fortescue)は、2022年3月1日、英Williams Advanced Engineering(WAE)の買収を完了し、重力エネルギーを利用してバッテリーをフル充電する世界初の電動システムを搭載した「INFINITY TRAIN」を同社と共同で開発することを発表した。

WAEは買収後も独立企業として存続し、高い技術で業界をリードしているWAEのバッテリー技術部門は今後Fortescueと密接に連携していく予定だ。Fortescueの鉄鉱石列車プロジェクトに投入されるINFINITY TRAINは、積み荷を載せた状態の往路では下り坂を走行中に電気を回生し、積み荷を下ろした後の復路は往路で充電した電力で走る仕組みだ。

Fortescue創業者で同社の会長であるAndrew Forrest 博士は「INFINITY TRAINは、2030年までに温室効果ガスの実質排出量ゼロを達成するという当社の取り組みを加速させるだけでなく、運営コストを下げ、メンテナンスを効率化し、生産性を向上させる」と述べている。

Fortescueは、鉄鉱石の鉄道輸送事業でディーゼル機関車54両を運用しており、2021年度のディーゼル燃料消費量は8200万リットルだった。INFINITY TRAINが現行の輸送運搬システムと置き換われば、こうしたディーゼル燃料は不要になり、それに伴う排出量もなくせる。Forrest博士は「INFINITY TRAINは、当社が開発中の環境に優しい輸送機器に加わり、環境に優しい産業用輸送機器の世界的な成長市場の中で当社が主要企業となることに役立つだろう」とコメントした。

fabcross for エンジニアより転載)

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