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独自のアルゴリズムで不可能を可能に——3Dプリントでエアロスパイクロケットの実用化を目指す

独Hyperganicは、複雑な形をしたロケットエンジンのコンセプトモデルを、独自のアルゴリズムを使い設計し、3Dプリンターで製作した。AIベースのエンジニアリングに特化するスタートアップが、エアロスパイクロケットエンジンの実用化に向けた取り組みを進めている。

ロケットエンジンとは思えない生物的な形状は、大型で複雑な3Dモデルを自動で作成するツール「Hyperganic Core」で設計。独自のアルゴリズムを搭載したソフトウェアに、特定の機能を持つ対象物の作り方を教示することで、入力情報に基づきさまざまなパターンの3Dモデルを作成できる。

エアロスパイクロケットエンジンは、現在主流となっているベル型ノズルロケットエンジンに代わる、燃料効率の高いロケットエンジンとして開発が進められてきた。ベル型ノズルは、噴出した高圧ガスをノズルの内壁に沿って膨張させることで推力を得る仕組みだが、外部圧力の違いで効率が変わるため、多段式ロケットの各エンジンに最適なノズルを搭載する必要があり、コスト高の要因となっている。

一方でエアロスパイク型ノズルは、燃焼室が中心にあるベル型ノズルとは違い、円状に並んだ燃焼室から中央のスパイク(突起)に向け高圧ガスを噴出することで、スパイクと周囲の空間がノズルとして機能する仕組みだ。ベル型ノズルより20%以上効率が良く、外部圧力の差に影響を受けないとされ、SSTO(単段式ロケット)用のエンジンとして期待されているが、構造の複雑さとスパイクがオーバーヒートする課題が解決できておらず、実用化に至っていない。

さまざまな条件に基づく最適な3Dモデルを短時間でデザインできるHyperganic Coreと、これまでの加工技術では不可能だった複雑な形状のエンジンを製作できる3Dプリンティング技術が、宇宙業界に新たな可能性を示している。

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