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大林組、国土交通大臣認定を取得した構造形式を用いた3Dプリンター製建屋建設に着手

大林組は、セメント系材料を用いた3Dプリンターによる建築物として、日本建築センターの性能評価審査を受け、国内初の建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を取得した構造形式を用いた「(仮称)3Dプリンター実証棟」の建設に着手した。

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同社は、鉄筋や鉄骨を使用しない、3Dプリンター用特殊モルタルや、超高強度繊維補強コンクリート「スリムクリート」による構造形式を開発している。本構造形式を用いて、地上構造部材を全て3Dプリンターによって製作する構造物が、3Dプリンター実証棟だ。

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本施設は、プリント範囲内で最も少ない材料で最大の空間が得られるようにし、壁を複数層としてケーブルや配管ダクトを配置することで、通常の建築物と同様に利用することを想定したデザインだ。設備図を含めた建築確認や、スリムクリートを材料とする個別評定も取得し、2022年11月の完成を予定。完成後は耐久性、構造および環境性能の評価を行うとともに、3Dプリント技術のPR施設として公開する。

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部材は基礎と屋上階の床版(しょうばん)を除いて、建設地に3Dプリンターを据え付けてプリントする。床版もあらかじめプリントしたデッキを架設してから、スリムクリートを充填する構造形式だ。外部階段を設けるとともに、床版の施工後には、3Dプリンターを屋上階へ据え付けて、2階建てを想定した際の立ち上がり壁を模したパラペットの打込み型枠をプリントするため、技術的には複数階を建築できるという。

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床版は、生じる力が分散するように、力の流れに沿った形状の突起(リブ)で補強。空調、洗面、照明などの設備も実装するため、壁は構造体層と断熱層、設備層からなる複層構造だ。3Dプリントによる躯体工事と同時に断熱、設備工事の一部を行うことで工期短縮および省力化を実現するという。

建築/構造/設備の各設計と施工を連携するために、3次元で製造したモデルを一貫利用した設計製作フローを構築するとともに、プリント経路の自動生成や傾斜部の積層性、障害物との干渉状況を確認するソフトウェアを開発した。デザインされた形状に、建築物として必要な情報を付加し製作するまでの時間を短縮できるという。

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