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ヤシの木のようなしなやかさ——新コンセプトの風力タービンを開発

Credit: Chao Qin and sumrwind.com

コロラド大学ボルダー校の研究チームは、ヤシの木から着想を得て、ハリケーン並みの強風でも耐えられる風力タービンを開発した。2022年6月8~10日開催の「American Control Conference」で発表された。

太陽光発電とは違い、風力発電は適度な風があれば昼夜問わず発電できるクリーンエネルギーだ。一般的な風力タービンは、向かい風を受けるようにブレードを配置する。そのため、風に押されてブレードがタワーにぶつかることがないように、ブレードは比較的厚く重くなる傾向にあり、コスト増の一因になっている。さらに、アメリカの洋上風力発電所は、巨大ハリケーンに直面するリスクも抱えており、過酷な気象条件にも耐えられる風力タービンの開発が求められている。

そこで研究チームは、従来とは逆の追い風を利用した2枚翼風力タービン「SUMR(Segmented Ultralight Morphing Rotor)」を開発した。ブレードはより軽量かつ柔軟になり、強風が吹いてもヤシの木のようにしなり、壊れにくいという。実証機の「SUMR-D」は、出力53.38kWを記録した。

また、風力発電の難しいところは、風速が一定ではないことだ。研究チームは制御系にも工夫を凝らし、突風が吹いても一貫して効率的に稼働することを確認した。SUMRの利点は、タービンを大型化したときに明らかになり、それらは主に沖合向けとなる、と研究チームを率いるLucy Pao教授は考えている。現在は、25MWおよび50MWのSUMRタービンの設計とモデリングを進めている。

fabcross for エンジニアより転載)

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