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クモの糸を光ファイバーに変えてバイオセンサーを開発

クモの糸には、伸縮性、引張強度、生体適合性、生分解性など優れた特性がある。さらに、光ファイバーのように光を伝送するため、バイオメディカル分野で使用するさまざまな光学部品への応用が研究されている。

台湾の国立陽明交通大学の研究チームは、クモの糸が光を伝送する特性を利用して、溶液の屈折率の変化から糖類の濃度をモニタリングするバイオセンサーを開発した。新しい光センサーは、血糖値測定やその他の生化学分析に役立つ可能性がある。研究成果は、『Biomedical Optics Express』誌に2022年8月2日付で公開されている。

糖尿病患者にとって血糖測定は重要であり、食事の前後に血糖自己測定することが推奨されている。しかし、従来の血糖測定器は侵襲的であり、患者にとって快適なものではない。また費用が高いという問題もある。

研究チームは、オオヒメジョロウグモの糸を生体適合性のある光硬化性樹脂で包むことで、直径わずか100μmの光ファイバーを作製した。さらにセンシング能力を高めるために、金でコーティングしている。このクモの糸光ファイバーの一方の端を液体サンプルに浸し、もう一方の端を測定機器に接続すると、溶液の屈折率からサンプルに含まれる糖の種類と濃度を特定できるという仕組みだ。

クモの糸光ファイバーの糖質センサーを用いて、グルコース、スクロース、フルクトースを含む溶液を室温で測定したところ、実際に糖の種類を特定し濃度を測定することができた。この実験で使用した糖濃度は、人間の血液中に含まれる糖濃度をカバーしている。さらに、センサーの応答速度は0.1ミリ秒であり、リアルタイムでの測定が可能だ。

このセンサーは、高感度で生体適合性に優れ、再利用可能で費用対効果が高いだけでなく、非常に小さいため脳や心臓など届きにくい場所にも設置できるという。埋め込み型医療機器への応用も期待できる。

研究チームは、すでにモバイル機器を用いたポイントオブケア測定をするためのソフトウェア開発を進めている。また、乳糖や脂肪などさまざまな他の血液に含まれる生化学成分の測定に機能を拡張したいとと考えている。

fabcross for エンジニアより転載)

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