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指をカメラに乗せるだけ——スマホで血中酸素飽和度を計測するAI技術を開発

Dennis Wise/University of Washington

指に挟むだけで血中酸素飽和度(SpO2)を計測できるパルスオキシメーターは、新型コロナウイルス起因の肺炎を早期発見できるツールとして大きく注目された。自治体などが自宅療養者に貸与したり、一時は全国的に品薄となった。

ワシントン大学とカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、パルスオキシメーターの代わりに、スマートフォンのカメラとフラッシュを使って指の血流を記録し、AIでSpO2を算出する方法を開発した。研究結果は、2022年9月19日付けで『Digital Medicine』に掲載されている。

SpO2計測用のスマートフォンアプリは既にあるが、必ずしも計測範囲が十分ではないと研究チームは指摘する。PoP(原理証明)として発表された今回の研究では、20~34歳の被験者6人からそれぞれ15分間のデータを収集し、SpO2の検知範囲も70%以上と、米国食品医薬品局(FDA)がパルスオキシメーターに求める基準を満たすことができた。

被験者は、まず、スマートフォンのカメラとフラッシュの上に指を乗せる。指先はフラッシュで照らされ、心拍に合わせて血液が流れる様子をカメラで録画し、血液が吸収した光の量が、赤、緑、青のカラーチャンネルごとに記録される。実験では比較のために、被験者は同じ手の別の指にパルスオキシメーターを装着した。また、同じ設定を両手同時に行っている。

SpO2の値を下げるため、被験者は酸素と窒素の混合ガスを吸い込んだ。研究チームは、15分かけて61~100%の範囲で6人分、1万以上のデータを取得した。そのうち4人分のデータを使って深層学習アルゴリズムを訓練し、残りのデータで手法の有効性を検証した。その結果、被験者の低酸素状態を80%の確率で推定できた。

ただし、指にたこができている人の場合、現状のアルゴリズムではSpO2の推定が難しいようだ。しかし、今回の結果は、機械学習を使った医療デバイスの開発に向けた良いステップだと研究チームはとらえている。臨床データを増やすことで、皮膚の色や厚みなど多くの人に対応したアルゴリズムの作成も可能だろう。

多くの人がスマートフォンを所有しているため、この手法で「ノーコストまたはローコストで多数の計測ができる」とMatthew Thompson教授は語る。理想的には、これらの情報を診療所へシームレスに転送し、患者を救急搬送するべきか、自宅療養して後でかかりつけ医などに診てもらうかの判断に活用したいと考えている。

fabcross for エンジニアより転載)

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