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わずか72秒で充電できる、電池とスーパーキャパシタの特性を兼ね備えたEVバッテリー

スイスのスタートアップ企業であるMorandが2022年11月15日、電気自動車(EV)を72秒で充電できるバッテリー技術「Morand eTechnology」を発表した。

EVなどの蓄電システムには、充電式の電池と数10mF以上の静電容量を持つスーパーキャパシタがある。それぞれ一長一短があり、現在主流である電池は充電に長い時間を要することが大きな課題である。一方、スーパーキャパシタは急速充電が可能で劣化も少ないという利点がある反面、電池と比べるとエネルギー密度が低く、蓄電量が少ないことが欠点となる。

Morand eTechnologyは、電池とスーパーキャパシタの両特性を掛け合わせた複合型システムだ。シティカーなどの超小型車を想定した7.2kWh のテストユニットにおいて最大900A/360kWで、72秒で80%、120 秒で98%、2.5分で100%を充電。また、5万回以上の充放電サイクルに耐えることを実証した。原材料には主にアルミニウムとグラフェン、炭素を使用し、資源不足が懸念されるリチウムやコバルトへの依存度が低いのもメリットの1つだ。

同社は現在、同システムの生産体制に入っており、今後、低コスト化のための生産拡大を計画している。同システムは、EVのみならず、ドローンや電車、ロボットなどのさまざまな製品分野への適用が可能だとしている。

fabcross for エンジニアより転載)

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