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慶大、美術品レプリカが輸送時に受ける振動を無線センサーで同期計測できると実証

慶應義塾大学SFC研究所は、振動試験装置メーカーのIMV、東京国立博物館との共同研究により、軽量で電池なしの無線センサーを美術品レプリカに取り付け、梱包された美術品が輸送時に受ける振動の同期計測が可能であることを実証した。

開発中のシステムは、通信と電力供給に後方散乱通信技術を利用した超軽量で電池なしの無線センサーだ。独自開発の無線チップと市販の低消費電力センサーを組み合わせ、数メートルの通信距離で同期データを取得できる。

美術品は展示会等のため頻繁に輸送が発生し、輸送時の振動や衝撃に伴う損傷が問題となっている。それがこのほど、振動の無線計測に関する実証実験より、梱包された美術品が輸送時に受ける振動や加速の影響を定量化できた。屏風レプリカの表面と格子にこの無線センサーと比較対象の有線センサーをそれぞれ貼り付けて加振試験をしたところ、両方の結果は十分に一致し、無線センサーで振動の簡便な計測が可能と示された。

今後は、対象となる美術品の範囲拡大、梱包や輸送方法の設計評価等への応用を検討する計画だ。

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