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手動と自動をシームレスに切り替え可能なラズパイ制御のロボットプリンター

Raspberry Pi公式ブログが、人間とロボットの間で主導権をシームレスに切り替えられる高解像度ロボットプリンター「RoboSketch」を紹介した。

独ザールランド大学を中心とするチームが開発したRoboSketchは、二輪付き本体にモバイルプリンターを収納したロボットだ。ドイツで2023年4月に開催された国際会議「ACM CHI Conference on Human Factors in Computing Systems(CHI)2023」でその詳細が発表された。

RoboSketch

人間と機械の主導権が混在することがある作業で、創造性と即興性をより発揮できる柔軟なマシンを目指して、手に持って使うツールと自律ロボットの望ましい特性を併せ持つデバイスとしてRoboSketchは開発された。研究チームの目標は、人間主導の手作業や、機械が一部支援する作業から、機械による自律的なファブリケーションまで明確に区切ることなく、シームレスに移行できるようにすることだ。

RoboSketchは制御基板にRaspberry Pi 4Bを搭載し、超音波センサーやRGBカメラなどを備えており、Raspberry Piを通じてモバイルプリンターに指示を出す仕組みを採用している。車輪付きで自在に移動できるので、描画範囲が制限されることなく大規模な模様も描画できる。

RoboSketch EmbodiedInteraction/YouTube

本体上部には絵筆型のジョイスティックがあり、ジョイスティックを握って手動で描画することも可能だ。

RoboSketchは、100%人間主導でコントロールするマニュアルモード、人間と機械が同等の割合で主導権を持っているアシストモード、機械が完全に主導する自律走行モードを搭載しており、ボタンやジョイスティックを操作して3つのモードを切り替えられる。

RoboSketch

マニュアルモードでは、フリーハンドでスケッチするハンドヘルドツールとして使用でき、アシストモードでは、例えばフリーハンドで描いている時にRoboSketchをドラッグすると、完全な直線を描けるようにサポートしてくれる。さらに、自律走行モードでは、コンピューターが生成した模様を自律走行して描画できる。

RoboSketchは紙だけでなく布地や木材などの素材にも対応しており、通常のインクだけでなくUVインクや導電性インクも使用できるので、電子回路の作製や木工加工用ガイド線の描画もできるという。

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