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M型ライカをレトロフィット——機械式シャッターを押してデジタル写真を撮影する「Leica MPi」

レンジファインダーフィルムカメラ「Leica M2」を改造した「Leica MPi」を、Raspberry Pi公式ブログが紹介した。

Leica MPiは、Raspberry Pi Zero Wとカメラモジュール「Raspberry Pi High Quality Camera」(以下、HQ Camera)を使用して1966年製のLeica M2をレトロフィットしたものだ。

このプロジェクトでは、デジタルバック使用時でも、Leica M2の機械式シャッターや手動でピントを合わせるマニュアルフォーカスといった基本性能は継承し、現在のデジタルカメラと変わらない使い勝手にしつつ、オリジナルの状態にいつでも戻せるようにすることを目標にしている。

Leica MPi

Leica MPiの特徴の1つは、Leica M2の機械式シャッターとHQ Cameraの電子シャッターを連動させている点だ。本体のシャッターボタンを押すと、GPIO経由で電子シャッターによる露光を開始する信号が送信される。

機械式シャッターが開いてから電子シャッターが作動するまでに、ソフトウェアによる遅延が発生するため、バルブモードで機械式シャッターは開いたままで、電子シャッターが露出を制御する。シャッタースピードの調整も可能で、本体背面にある十字キーを押すことで、シャッタースピードを1/15秒、1/60秒、1/250秒、1/1000秒の4種類から選択できる。

Leica MPi

シャッター幕との間に機械的干渉があったため、HQ CameraのCマウントアタッチメントとアンチエイリアスフィルターは取り外し、センサーボード上部の縁をやすりで削っている。

Leica MPiでの白黒写真撮影は問題なくできるが、アンチエイリアスフィルターを取り外したため、自然光の下で撮影したカラー写真は極端にマゼンタがかった色あいになる。しかし、街中や店内などの人工照明下で撮影した場合は、ホワイトバランスで補正できるとのことだ。

給電にはAnkerの「511 Power Bank」を採用。Leica MPiは、本体背面に液晶画面を搭載しているが、ここには何も表示されない。当初は、撮影画像を表示できるようにする予定だったが、写真を撮影してもすぐには確認できないというフィルムカメラならではの特性が好きなので、あえて何も表示させないことにしたという。

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