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MIT、日本の切り紙の技法を使って軽量かつ丈夫な構造体を作製

Credits:Image: Courtesy of the researchers

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、切り紙を応用して軽量かつ丈夫な構造体を製作した。日本の切り紙の技法で作られた丈夫な金属格子は、コルクよりも軽く、カスタマイズ可能な機械特性を持つという。

同研究成果は、2023年8月20日~23日にボストンで開催されたアメリカ機械学会IDETC-CIE 2023で発表された。

研究チームは、ミウラ折りとして知られる折り紙の折り目パターンに切り目を入れる技術を用いて、3Dプリントで製造できる規模より大きい、プレート格子として知られる高性能構造体の製造法を開発した。

同手法を用いて作製したアルミニウム構造体は、1平方メートル当たりの重量90kgと軽量でありながら、62kN以上の圧縮強度を持ち、一般的なアルミニウム波板の3倍の力に耐えた。さらに、同手法は、折り畳みや切断するパターンによって、剛性と強度、曲げ弾性率などの特定の機械特性を調整できる。

大きな構造体を作るために、研究チームはモジュール式の組み立て工程を導入した。より小さな折り目パターンを大量生産し、軽量かつ丈夫な3D構造体に組み立てるのだ。

MITのNeil Gershenfeld教授は、「自動車や飛行機のようなものを作るには、製造機器の設置に莫大な投資が必要です。本製造工程は、3Dプリントのような製造機器を設置する必要はありません。さらに、3Dプリントとは異なり、私たちの方法は材料特性の限界を設定できます」と説明した。

汎用性の高い同技術は、鉄鋼や複合材料など多くの材料に使用でき、比較的容易に大規模な量産が可能であるため、建築や飛行機、自動車、航空宇宙部品などのさまざまな分野への応用が期待できる。

fabcross for エンジニアより転載)

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