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「Ni625」合金粉末を使用した3Dプリントで、月着陸船エンジンの製造を目指す

Credit:6K Inc

3Dプリントの材料を製造する米6K Additiveと、宇宙推進装置を製造する米Agile Space Industriesは2023年8月29日、「Ni625」粉末を航空宇宙の用途に使用するための認定を目指していることを発表した。

従来、航空宇宙部品の開発期間は20年以上を要する場合があった。今回のプロジェクトで製造を担当するAgileは、3Dプリント手法である「additive manufacturing」による積層造形を採用することで、その開発期間を12カ月に短縮できると説明している。

Ni625粉末を使用する最初の製品は、Agile製の月着陸船用エンジン「A2200」を予定する。同エンジンは加圧式で、自己着火性をもつ「ハイパーゴリック推進剤」を使用するため、点火機構をもたない点が特徴だ。

3Dプリントで製造する同エンジンの重量は5.9kgで、推力は500lbfを予定する。月へのミッションという厳しい要求に対応するため、ロケットエンジンの推進剤効率を示す比推力は、318秒以上を達成する予定だ。

構造上の特徴は、一体式ピントル型スリーブスロットリング機構によって、ディープスロットリングに対応する。さらに、推力50%から100%までの制御を650ミリ秒以下で駆動するため、月ミッションで要求される操縦シーケンスに耐えるという。

6K AdditiveのFrank Roberts社長はコメントのなかで、同社の合金粉末が宇宙探査に寄与するだけでなく、地球上の持続可能性をリードできることは、自社とAgileの双方にとってベストであるとの趣旨を説明した。

fabcross for エンジニアより転載)

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