同イベントでは、ドローン配送プログラムの拡充や新たなロボティクスシステムの統合、パッケージごみの削減などの取り組みを紹介。これらの取り組みにより、より利便性の高い配達や労働環境の改善、さらには世界中の地域社会への還元を図る。

イノベーションのひとつが、新型宅配用ドローン「MK30」だ。同社は2022年から、カリフォルニア州とテキサス州の一部地域で、ドローン「MK27」を使った宅配サービス「Prime Air」を開始している。2024年にMK27の後継機として投入予定とされるMK30は、カスタムデザインのプロペラの採用により騒音を半減。機体を小型、軽量化、高性能化することで飛行距離を約2倍に延ばし、小雨などの天候でも運用が可能だ。

Prime Airの対象エリアは今後も拡大を図り、2024年末までにイタリアとイギリス、アメリカ3番目の州でのサービスを開始する予定。また、オンライン薬局「Amazon Pharmacy」と協業し　処方薬をドローンで60分以内に配達するサービスの開始も発表した。

労働環境の改善については、在庫の識別やコンテナを使った出荷管理などで作業者の負担を軽減する統合ロボティクスソリューション「Sequoia」を紹介した。さらに、自動化が従業員の業務に与える影響をアセスメントし、新技術導入に伴う従業員のキャリア形成をどのようにサポートするべきか、MITとIpsosと共同で研究を進めるとしている。

他にも、コンピュータービジョンとAI（人工知能）を用いた配達車両の検査や、災害支援物資の保管拠点「Disaster Relief Hub」の開設、EDV（電気配送車）の導入、 リサイクルしやすいようプラスチックの梱包材をやめて紙材だけを使うなど、さまざまな取り組みで顧客、社員、地域社会がより豊かになるイノベーションを推進するとしている。