NASA、チームで活動するロボットによる宇宙構造物の建設プロジェクトを推進中
2024/02/06 06:30
アメリカ航空宇宙局(NASA)は、自律動作するロボット群が大型の宇宙構造物を建設するシステムを開発している。今回、システムのテスト結果を2024年1月17日付けの『Science Robotics』誌に掲載したと発表した。
月、火星などを目指す長期/深宇宙の探査ミッションで必要となる、太陽光発電施設、通信タワー、居住施設などのインフラ構築のために、NASAはARMADAS(Automated Reconfigurable Mission Adaptive Digital Assembly Systems)と称するチームを編成した。
同チームは、3台のロボットを自律的に連携させ、数百個のブロックで数メートル規模のシェルター構造物を構築するテストを実施した。このブロックは「voxel(volumetric pixelの略)」と呼び、寸法はサッカーボール大の立方八面体で、複合材料で形成される。
1台目のロボットは、ブロックの集積場所からvoxelを取り出して、2台目のロボットに渡す。2台目のロボットは、受け取ったvoxelを、順番に目標位置に配置する。3台目は、構造物の内部空間を登ってvoxelをボルトで固定しながら、構造物を構築していく。
なお、数百個のvoxelによるシェルター構築に要した時間は、約100時間だった。なお、ミッションが完了すると、ロボットは構造物を分解し、voxelのブロックは次の構造物の建設にて再利用される。
今後の研究では、ロボットが扱えるvoxelタイプのバリエーションについて、ソーラーパネル、電気配線、シールドなど、ニーズに応じて用途を拡大する。さらに、宇宙飛行士が到着する前に、完成した施設の安全性を確認する検査ツールをロボットに追加する予定だ。
(fabcross for エンジニアより転載)