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MIT、磁場からエネルギーを得る電池不要のセンサーを開発

Credits:Credit: Courtesy of the researchers, edited by MIT News

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らは、磁気エネルギーを利用する電池不要の環境発電型センサーを開発した。

このセンサーは、充電や交換が必要な電池を必要とせず、特別な配線も必要ないため、船のエンジン内部のような手の届きにくい場所に埋め込むことができる。例えばこのセンサーを、モーターが回転するための電流を流す配線に取り付けるだけで、配線の周囲に発生する磁場のエネルギーにより、モーターの温度をモニターするために使用する電力を得ることができる。

研究者らは、効果的で電池不要の環境発電型センサーを開発するために、3つの重要な課題をクリアしなければならなかった。

第1に、初期電圧がなくても電子回路を起動できるよう、コールドスタートが可能なシステムであること。研究チームは、集積回路とトランジスターのネットワークによってこれを実現した。システムが一定のしきい値に達するまで電力を貯め、完全に動作するのに十分な電力を蓄えた後に起動するようにした。

第2に、電池を使わずに、効率的に電力を蓄積し、変換するシステムであること。電池を搭載することもできたが、それによってシステムが複雑になり、火災の危険性もある。そのため、作動条件や安全性、サイズなど選択の幅があるコンデンサーを中心とした蓄電装置を採用した。コンデンサーは、デバイスが起動して発電を開始するのに十分な電力を蓄積できる一方で、蓄電時間が長くなりすぎないよう、慎重に容量を選択した。さらに、センサーが計測を開始するまで数週間から数カ月待機する可能性を考慮し、その間に漏れ出す電力分も加味している。

第3に、デバイスが収集、蓄積、使用する電力を動的に測定し、電力消費を調整する一連の制御アルゴリズムを開発すること。この電力管理インターフェースの頭脳となるマイクロコントローラーは、蓄積された電力量を常にチェックし、センサーのオン/オフや計測の実行を決定し、複雑なセンシングが必要な場合には、より多くの電力を収集できるよう、システムの電気負荷を変化させている。

研究チームはこれらの設計フレームワークを使い、汎用温度センサー向けの電力管理回路を設計した。デバイスは磁場から電力を得て、継続的に温度データを取得し、Bluetooth経由でスマートフォンへとデータを送信する。ただ、データ通信が予想以上に電力を消費することがわかったため、将来的には光や音を使った、よりエネルギー消費の少ないデータ送信手段を探る予定だ。また、より厳密なモデル化を行い、システムに入ってくる電力量や、センサーが測定に必要とする電力量を予測し、デバイスがより多くのデータを効率的に収集できるようにしたいとも考えている。

fabcross for エンジニアより転載)

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